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Long COVID アルツハイマー病 パーキンソン病 安楽死

2024年11月のニュース

トランプ米大統領の再登場で、米国や世界の情勢はどのように変わるのでしょうか?
我が国では今までほとんど公に議論されることがなかった『安楽死』の問題についても、岐阜大学医学部の下畑先生が貴重な情報を発信されています。

1.2024年11月の活動状況
中村 理さんの投稿
佐久ポールウォーキング協会より 長野県スポーツ推進委員研究協議会in佐久〜 基本講演(講師:佐久大学 坂江千鶴子 学長)後の分科会で県下のスポーツ推進委員の方々にポールウォーキングを体験して貰いました。 ホームの駒場公園〜茨城牧場のひとまわり3.5kmのPW散策でしたが皆さん良い汗かいたと述べてくれました〜❗️ お疲れ様でした。

森川 まことさんの投稿
茨城県県立水郷県民の森にて。 ポールウォーキング。 気持ち良く、空気の美味しい1日でした。

田村 芙美子さんの投稿
11/5 鎌倉市 健康診査 腰越PWサークル 今日は緑地公園を歩かずセンターで測量会。 市民健康課といつもお世話になっている包括支援センターテレジア1 & 2 の共催で令和5年の健康チェックが行われました。その後30分はポールを使って貯筋体操で汗を流し それぞれの計測結果にざわざわお喋り。 40cm台からの片足立ち上がりが難しかったようです。 次回も今日の結果より下がっていませんように。

佐藤 ヒロ子さんの投稿
【徐々に 徐々に】 インターバルは  少しだけ負荷をかけながら それがとっても気持いい   2024/11/5 #船橋ウォーミングソサイエティ #美姿勢ウォーキング #行田公園 #継続は力なり #インターバルウォーキング #ストレッチ筋トレ #健康ウォーキング指導士

田村 芙美子さんの投稿
11/6 朝は北鎌倉テラススタジオで青空を仰ぎながらストレッチ。外のマット運動は風や木々の揺らぎのなかでこの上なく気持ちが良い。午後は西鎌倉サークルに移動。PWですてきな洋館を見ながら藤沢方面に歩きました。

スマイルチームさんの投稿
2024.11.5〜7 活動記録 ☺︎中屋敷チェアエクササイズ 21名 ☺︎スマイルエクササイズ.チラシ作成 ☺︎健康体操サークル 12名 ☺︎スマイルポールウォーキング 6名 ☺︎高齢者健康づくり支援士資格更新教育単位証明書発行手続き

田村 芙美子さんの投稿
11/8 早朝から三本立てで夜まで働き(?)ました。 朝のPW教室は会館の非常用内階段を借りてSTEP昇降練習。 ポールがあると楽々ですね、と感激の声。でも気をつけて、油断しないでくださいね。お昼から特別パーソナルNWクラスを駒沢オリンピック公園で。腕振りに苦労した甲斐あって2キロ目は上手に捌いて初心者には見えませんでした。PWとの違いをはっきりさせて。後ろで衝くと思いがけず前へ進める!とこちらも感激の声。 夕方は二子玉途中下車で分倍河原まで足を伸ばし今帰路です。街はキラキラXmasです。

校條 諭さんの投稿
つかの間の?秋を満喫、「気まポ」(気ままにポール歩き)は中野南コース JR東中野駅前に集まって、映画館ポレポレ東中野前から、神田川沿いにしばらく歩き、桃園川緑道(暗渠)をたどって中野駅まで進みました。コース計約5km。 途中寄ったのが氷川神社。参加者のうち2人が幼い頃縁があった神社です。ひとりは小1の頃、よく遊んだところで、お祭りや飯ごう炊さんの思い出があるそうです。もうひとりは、自分では当然覚えてないけどお宮参りの場所だったとか。 もう1箇所、緑道からはずれて紅葉山公園に寄りました。林の中の起伏のある散歩道を気持ちよく散策しましたなかのZERO(ホール)や区立中央図書館もあります。 ついこの前までは暑かったのに、朝晩は冷え込む昨今ですが、ウォーキングには最高でした。 写真は、私と運営仲間の田村和史君撮影です。

中村 理さんの投稿
佐久ポールウォーキング協会より 本日は11月PW駒場例会でした。 朝6時の気温0℃〜初氷まだ不成! 元気シニア(若い?50代もチラホラ〜)が集まり、歩き出し10時前後には10℃に上がり太陽が眩しく温かい公園〜牧場のひとまわり散策でした。 外歩きは12月例会で終了です。1月2月は室内/総合体育館での〜室内ポールウォーク〜となります。 11月残りのイベントは、 来週11/17(日)健康講演会+PWは佐久大学で9時開始です❗️ 大学へ聴講においで下さい❗️

スマイルチームさんの投稿
2024.11.8〜10 活動記録 ☺︎青空PW 7名 ☺︎中屋敷親生会 20名  チェアエクササイズ ☺︎神奈川県青少年指導員大会

中嶋  佳奈恵さんの投稿
【犀川ポールウォーキング大会 秋編】 11月10日日曜日 エコチーム犀川主催 犀川ポールウォーキング大会が開催されました。 大桑ぐるぐる公園発着 秋晴れの良い日に歩く事ができました。 ありがとうございました! また来春に犀川歩きましょう。 今年度のポールウォーキングイベントは終了になります。 来年度もよろしくお願いします。 担当 澤田MCpro・小高AC

台灣健走杖運動推廣協會さんの投稿
📢 2024健走杖健康活力輕旅行 11/10(日)福隆站活動圓滿結束!🎉 福隆站活動在細小的雨🌧️及清新的海風🌬️吹拂下順利完成🌊🚶‍♂️🚶‍♀️, 感謝每一位參加的朋友們, 尤其要感謝站長的細心帶領, 讓整個活動進行得如此順利! 感謝 @護老長照 團隊帶領長者們一同參加, 讓大家感受到滿滿的溫暖與支持💙。 看到大家享受健走的樂趣, 並且在福隆美麗的景色中揮灑汗水, 真的讓人覺得無比動容與欣慰🌞💪。 期待我們未來的站點有更多朋友一起參與, 共同享受健走杖的活力與健康! #2024健走杖健康活力輕旅行

がんばっぺ チャリンコさんの投稿
2024年11月11日(月) 「郡山市制施行100周年記念事業」 11 月11日 ポールウォーキングツアー 安積開拓「一本の水路」の物語 郡山市長、郡山駅長、久留米観光ガイド会長、久留米ふるさと大使等を招いてポールウォーキングで開成山公園をガイド 勿論、リーダーは日本ポールウォーキング協会長岡智津子MCPROだ。 取り急ぎ、全体集合写真をメインにスタート前準備から打上げまでの様子を紹介しておこう(^O^☆♪

堀 和夫さんの投稿
秋の木曽路 中山道馬籠 夜明け前ウォーキング2024 落合宿からの石畳を登り馬籠宿から馬籠峠まで 木曽路の秋を堪能しました。 恒例の馬籠黎明太鼓に後押しされ坂道を攻略しました。

鈴木 ゆみ江さんの投稿
[報告会] 先月行われたアルツハイマーデーイベント「オレンジフェスタ」の報告会でした。 先ず各グループで作業しながら振り返りをし、それを元に発表を。昨年は芋煮のメンバーとしてハッスルしました。今年は、企画会で「ボッチャをやりたい」と提案。「スポーツ縁日」と題してボッチャの他、けん玉(支援学校卒業後介護施設に就職してるセミプロが演技し子達は大喜びだったそうです) 輪投げ、駒回し、ストラックアウトを行ったのですが… 区長がボッチャ体験をしたり、お子達に人気で行列が…と、評判良く「このメンバーでまたやろう」の声が出てちょっと嬉しい🎵 今年の豚汁も美味しかったらしい…商店街を巻き込んでクイズ解きながらのウォーキングは、高齢者や認知症カフェ利用者とスタッフも参加したとか。このグループも区内の商店街(100以上ある)を来年以後も次々回るとか。八潮をスタートしてマラソンとか… 聞く話は随分外は盛り上がっていたらしいです。体育館のボッチャに掛かり切り3時間半、行列は途切れなく(大袈裟かな?)おおよそ250人が体験してくれたらしいです。 片付けて18時過ぎ… オレンジのキャンドルの元くるみちゃんとパチリ📸してもらった写真も…(今年もキャンドル作りが賑わっていたらしくたくさんの暖かい灯りが素敵でした

田村 芙美子さんの投稿
11/14 午後の貯筋クラスでは筋肉貯金残高チェック。 静的・動的バランス、下肢筋力、敏捷性等々8つの項目をチェック。大股でどのくらい歩き続けるかも試してみました。そして包括支援センターからスタッフさんが配布の住宅防火チェックシートも✅ 火災警報器の取り付けは消防職員さんがお手伝いしてくださるとのこと(要事前予約) 今日のおやつは浪花家の鯛焼き1匹。

佐藤 ヒロ子さんの投稿
【小春日和のいい日です】     2024/11/14   インターバルで普段より      少しだけ頑張りました    定例会は   おしゃべりができる良い場所      みたいです💞 #船橋ウォーキングソサイエティ #2本のポールを使うウォーキング #ポールウォーキング #ノルディックウォーキング #ノルディックウォーク #ソーシャルフィットネス #インターバルウォーキング #一人より皆がいいね

田村 芙美子さんの投稿
11/15 渋谷は大雨とtvで聞いて大きな傘を持って出掛けたのですが 着いた時は小雨🌂で助かりました。今日は自己紹介(今頃!)ゲームをしてご近所さんを確認。初台の方が一番多かったです。今期ももう6回目になり、皆さん中強度歩きが様になって来て嬉しいです。次期の会員募集が始まったそう(区報掲載)。

佐藤 ヒロ子さんの投稿
【ゴールはお祭りよ】     2024/11/16    船橋港親水公園で インターナショナルフェステバル  楽しい事が大好きメンバー    しっかり歩いて  食べて 観て 遊んで 笑って    大忙しで〜す #船橋ウォーキングソサイエティ #ノルディックウォーキング #ポールウォーキング #海老川土曜日コース

Masami Yamagataさんの投稿
⼀般社団法⼈UDe-スポーツ協会が開発・販売を⾏う年齢や障がいの有無 にかかわらず、誰でもが行うことができるeスポーツ『UDe-Sports(ユーディイースポーツ)🄬』の無料体験を開始します。◎昨今のe-スポーツの広がりを受け、誰でもが楽しめるe-スポーツを⼿軽に、より簡単に⾼齢者や未就学児にもゲームを楽しんでもらえる。同協会の販売代理店また、UDe-スポーツ認定指導員としてUDe-Sportsを普及いたします。オリジナルゲームや、ゲーム以外の機能として簡易的な注意⼒、動体視⼒、判断⼒、記憶⼒などの認知機能をチェックするモードもあります。

中村 理さんの投稿
佐久ポールウォーキング協会より 秋恒例の健康講演会+PW体験・散策が、今年は佐久大学を会場に学長/坂江千寿子氏の講演会(フットプリントからわかる足と健康)とポールウォーキングでの大学構内〜クロスカントリーコース散策でした。 会員表彰の皆勤賞と頑張ったde賞で新米の贈呈も有りの本年の最大イベントも無事終わりに〜^_^ 参加者 スタッフの皆さん〜お疲れ様でした❗️

スマイルチームさんの投稿
2024.11.14〜17 活動記録 ☺︎スマイルチーム上溝 22名 ☺︎子育て広場 親子たいそう ☺︎ポールウォーキング講座  ☺︎公民館1月抽選申し込み 5団体分 ☺︎スマイル備品ガレージ整理 ☺︎ポールウォーキング講座資料作成 メンバーさんより菊芋、柿をいただきました😋 ☺︎メンバーさんより寄付していただいた毛布などを茨城県動物指導センターへ送りました

中嶋  佳奈恵さんの投稿
【更新講習会】 本日11月17日日曜日 能美市物見山体育館会議室にて 日本ポールウォーキング協会更新講習会でした。1名のアドバンスコーチの方が、受講しました。 雨が降る前に、階段の登り方や降り方からギアチェンジの歩き方や、椅子に座りながら筋トレもしました。 お疲れ様でした‼️

佐藤 ヒロ子さんの投稿
【58cmってどれくらいなの?】    #認知症予防・#転倒予防・  #社会参加 #介護予防    今日も皆で実践中  女性58cm以下は認知症リスク         が高くなる!  歩幅58cmって実際は     どのくらい?  10mだと何歩なの…?  #船橋ウォーキングソサイエティ  #シニアポールウォーキング

田村 芙美子さんの投稿
今日は大船地区社協主催、包括支援センターきしろ・ふれあいの泉協力のいきいき健康測定と杉浦コーチによるフレイル・認知症予防のお話と体操でした。 今日時点での骨密度・血管年齢測定。握力・歩幅テスト、バランス能力等々計測し運動・栄養の話に耳を傾けました。サプリメントのお話もためになりました。

佐藤 ヒロ子さんの投稿
【気持ちいい〜】   2024/11/19      蒼空   インターバル頑張ったよ〜     バッチリね      HAPPY〜       ♫ #船橋ウォーキングソサイエティ #美姿勢ウォーキング  #インターバルウォーキング #県立行田公園

田村 芙美子さんの投稿
11/19 昨日まで江ノ島の予定でしたが強い風と気温急降下の予報で急遽広町緑地に変更。木枯らし木枯らし寒い道~を大榎や石切場方面にPWで歩きました。広場でカタサゲ・ヒジヒキの練習をしたのですがお喋りに夢中になると・・・腕は動かなくなって~~😢

 

来月以降の開催
田村 芙美子さんの投稿
🍁鎌倉ミステリーvol.10🍁 9回祇園山には遠くからも沢山ご参加いただきありがとうございました。次回は紅葉狩り🍁で獅子舞へ参りたいと思います。 鎌倉の紅葉は毎年遅く、今年は夏日が続きましたのでこの日程で美しく燃えてくれるかは「ミステリー」です。, 〔日時〕 ①12月2日(月曜日) 🍂 ②又は同月8日(日曜🍂 どちらもおなじコースです。ご都合の良い方にご参加ください 〔集合時間・場所〕 ①②とも  ✳ 金沢八景からバスのかた 大塔宮鳥居⛩️前 10時半 ✳ 鎌倉駅からのかたは東口みどりの窓口前 9時50分 (10時発のバスに乗ります) 〔保険〕 各自でご手配ください。 〔解散・食事〕 お昼前大塔宮バス停(鎌倉駅行き)で解散 ランチは各自で 〔参加費・持物〕 1000円  NW・PWポールどちらでも。 飲み物、飴玉🍬など。 体温調節の出来る服装。リュック。歩きやすい靴👟 帽子🧢 雨具🌂 山道を歩きます。前回の祇園山コースより凸凹少ないですが、滑りやすい箇所あり。 〔主催・企画」 日本ポールウォーキング協会マスターコーチプロ 酒井尚美(P&P)& 田村芙美子(鎌ポ) 〔雨天時〕 ①② 各々前夜19時 雨予報の場合は中止 〔申し込み・問合せ〕 酒井or田村まで 対面、メッセージ、LINE、メールで。 🍂 🍂 🍂 🍂 🍂 🍂 🍂 🍂 🍂 🍂 🍂 🍂

 

2.PW関連学術ニュース
岐阜大学医学部下畑先生の10月20日以降のFB投稿の中から選択しました。

2-1)てんかん発作がアルツハイマー病の進行を促進する!? ―焦点とタウ病理の非対称性―
**岐阜大学医学部下畑先生の2024年10月24日のFB投稿です**
アルツハイマー病(AD)は,健康な高齢者に比べててんかん発症のリスクが2〜3倍高く,特に焦点発作(部分発作)の発症はADの進行と関連している可能性が指摘されています.しかし,ADにおける焦点発作とタウ・アミロイドβの蓄積との関連についてはよく分かっていませんでした.Neurology誌にマサチューセッツ総合病院(MGH)から,焦点発作を認めたAD患者(AD-Ep)において,焦点とタウ・アミロイドβの蓄積,および脳の萎縮の関連を検討した研究が報告されました.
対象は8名のAD-Ep患者で,タウおよびアミロイドPETイメージングと頭部MRIを実施し,てんかん発作の焦点のある半球でのタウやアミロイドβの蓄積について検討しています.てんかん発作を認めないAD患者群(AD-NoEp)14名も検討しています.この結果,AD-NoEp群と比較して、AD-Ep群ではタウの非対称性蓄積が顕著であり,特に焦点が存在する半球側にタウの蓄積が強く認められました(前頭葉,側頭葉外側,頭頂葉外側+内側に強く蓄積).また,アミロイドβの蓄積や脳萎縮も,焦点が存在する側に強い非対称性がありましたが,タウの非対称性ほど顕著ではありませんでした.図1の白い矢印は,焦点が存在する側においてタウ・アミロイドβの蓄積が多い領域を示します.黄色い矢印は,焦点の反対側に蓄積が見られた領域を示しています(つまり例外もある).
著者らは,焦点発作を伴うAD患者が一般的なADとは異なる病理的特徴を呈すると指摘しています. AD-Ep患者におけるタウの非対称性が顕著であることから,焦点発作がADの進行に影響を及ぼす可能性を指摘しています.つまり焦点発作=神経ネットワークの過剰な興奮(hyperexcitability)が片側の病理変化を助長し,ADの進行を早めると考えられ,ADの新たな治療につながる可能性があると述べています.
ただあくまでも観察的研究であり,てんかんがADの病理変化を直接的に引き起こすのか,それとも既存の病理がてんかんを引き起こすのかについては結論が出せないとも言っています.私も同感で,結論を出すには今後,縦断的研究が必要になると思います.
Lam AD, et al. Association of Seizure Foci and Location of Tau and Amyloid Deposition and Brain Atrophy in Patients With Alzheimer Disease and Seizures. Neurology. 2024 Nov 12;103(9):e209920.(doi.org/10.1212/WNL.0000000000209920)

2-2)アルツハイマー病におけるアミロイドβ抗体薬は,背景死亡率に対し2.6~3.9倍,死亡リスクを増加させる!
**岐阜大学医学部下畑先生の2024年10月25日のFB投稿です**
アルツハイマー病(AD)の病態修飾薬であるアミロイドβ抗体薬(レカネマブ,アデュカヌマブ)に関する新たな報告がプレプリント(未査読)論文として発表されました.シンシナチ大学のEspay教授らによる報告です.この研究は,アメリカのFDA(食品医薬品局)の副作用報告システム(FAERS)のデータに基づき,これらの抗体薬を使用したAD患者の死亡率が,一般的なAD患者,もしくはこれらの抗体薬の臨床試験の患者と比較してどの程度異なるかを評価したものです.つまり,これらの抗体薬のリアルワールド(日常の臨床現場)での死亡率が,臨床試験およびFAERSで報告された年齢範囲(75~84歳)の一般的なAD患者の死亡率(背景死亡率)を上回るかどうかを評価しています.背景死亡率は2020年の75〜84歳のAD患者の死亡率である100,000人あたり229.3人を基準にしています.
さて結果ですが,FAERSデータにおいて,レカネマブで25人,アデュカヌマブで27人の死亡が報告されていました.エーザイとバイオジェンは正確な処方数を開示しておらず,治療された正確な患者数が不明であるため,患者数を2,000人から10,000人の範囲に仮定し,以下の解析をしました.
まず図1ですが,リアルワールドで,レカネマブ(相対リスク[RR] = 2.6; 95%信頼区間[CI]: 1.4-3.8)およびアデュカヌマブ(RR = 3.9; 95% CI: 1.4-6.5)により治療した患者の死亡率は,背景死亡率,そしてレカネマブ(RR = 1.87; 95% CI: 1.1-2.6),アデュカヌマブ(RR = 2.7; 95% CI: 1.7-3.7)の臨床試験での死亡率と比較して高いことが分かりました(図1).
つぎに図2は,10,000人あたりの抗体薬による過剰死亡率を示しています.過剰死亡率とは,背景死亡率と比較して,レカネマブやアデュカヌマブを使用したことで生じた追加の死亡を意味します.上述したように実際に投与された患者数が不明であるため,2,000人から10,000人の範囲を仮定し,それぞれの値の過剰死亡率が示されています(投与人数の分母が大きくなるにつれ過剰死亡率は低下します).そしてレカネマブを最大の10,000人に投与したとしても,死亡率の増加を認めました.具体的にはレカネマブでは10,000人あたり21人の過剰死亡が推定され,アデュカヌマブでも41人の過剰死亡が推定されていました.死亡率相対リスク(RR)も示されていますが,背景死亡率に対してレカネマブ使用者は2.6倍,アデュカヌマブ使用者は3.9倍の死亡リスクがあることが示されています.
著者がDiscussionで述べていることは以下のとおりです.①FAERSは任意登録システムであることから,上述の死亡率の推定値は過小評価している可能性があること.それでもレカネマブを最大の10,000人に投与したとしても死亡率の増加を認めたことは重要な意味を持つ.最近,欧州医薬品庁(EMA)およびオーストラリア政府の治療用品局(TGA)は「安全リスクを上回る臨床的な利益が認められない」として,レカネマブ不承認の判断を下しているが,上記の結果はこれらの決定を後押しする.②これらのデータを,インフォームドコンセントの際に患者,家族に提示すべきであること.これらの情報は弱い立場にあるAD患者を守るためにとても大切である.いずれの主張も納得できるものです.
個人的に思ったのは,AD患者の一部にはアミロイドβ抗体薬により最悪の転帰を示す一群が存在するということなのだと思います.それは恐らく,抗体薬により脳血管の破綻や,脳血管における炎症が強く生じる一群だと思います.この抗体薬を臨床応用するのであれば,その一群を使用開始前に全力で探す必要があります.企業は,今回の研究の限界となっている投与症例数のデータだけでなく,リアルワールド死亡例の臨床的特徴(MRI所見およびApoE遺伝子検査など)を速やかに公開する必要があると思います.
Dwivedi AK et al. Excess Mortality in Alzheimer’s Patients on Anti-Aβ Monoclonal Antibodies. Research Square. https://doi.org/10.21203/rs.3.rs-5282702/v1

2-3)神経難病のアドバンス ケア プラニング・collaborative decision making
**岐阜大学医学部下畑先生の2024年10月29日のFB投稿です**
第12回難病医療ネットワーク学会@弘前のなかでもっとも印象に残った講演は,荻野美恵子先生(国際医療福祉大学)による標題の教育講演でした.取ったメモを教室メンバーに送り,自身のアドバンス ケア プラニング(ACP)のあり方を考えてもらいました.以下,そのなかの要点を5つ書き出しました(私の解釈も含まれているかもしれませんが,ご容赦ください).
1.「延命治療」という言葉には用心する
自分が今後どうなるかほとんど分かっていない状況での「延命治療は嫌だ」という言葉を鵜呑みにしてはいけない.例えば胃ろうは延命治療ではない.その人がその人らしく生きるチャンスを与えるものであり,意味のある時間を持つことができることを理解して頂く必要がある.
2.「治療の自己決定」はそう簡単にできるものではないことを理解する
治療方針は最初からそう簡単に決められるものではない.つまり医師は患者さんの最初の言葉を,そのままそれが最終結論だと受け取ってはいけない.患者さんの考えは振り子のように振れて徐々に収束していくものだ.また本人が自己決定できる(=自己決定能力がある)場合でも,本人ひとりに決めさせるのではなく,必ず本人と医療チームが十分に話し合い,合意形成することが大切である(下図).
3.治療方針はいつでも変えられることを伝える
重要なことは,まだ治療を決めなくて良いときに最終決断させないことである.治療についての選択はいつでも変えることができることを理解いただく必要がある.
4.「もう考えたくない」と言う患者には話を聞きつつ時期が来るのを待つ
例えば「人工呼吸器を装着するかどうか,この問題は考えたくない」とほとんど議論を拒否される場合がある.そのような場合は,患者の話をじっと聞きながらチャンスを待つ.そうすると「ここだ」という時が来る.そのときに例えば人工呼吸器を装着した患者の事例を紹介する.大切なことは装着しなかった場合だけでなく,装着した場合のことも両方知っていただき,そのうえで決断してもらうことである.
5.専門家としての意見を恐れずに伝える
専門家としての意見は,パターナリズムのおしつけではない.「患者さんの希望はこうだから・・・」と言って,専門家が逃げてしまってはいけない.患者さんはプロとしての意見を求めている.おせっかいになってほしい.
朝のカンファレンスの際に,各先生方の感想や意見を述べていただき議論しました.「いままで延命治療という言葉を使っていたが,そのネガティブな影響に気付いた」「人工呼吸器の装着に関する各選択肢の意味を正しく伝えていきたいと思った」「治療の意思決定支援を医療チームとして行っていくことは重要だと思う」「治療の意思決定は入院中だけでなく,むしろ外来における継続したやり取りが大切になる」といった意見が聞かれました.

2-4)認知機能が正常で,アルツハイマー病バイオマーカー陽性の人々への診断は慎重であるべきである!
**岐阜大学医学部下畑先生の2024年11月3日のFB投稿です**
JAMA Neurologyの最新号にアルツハイマー病(AD)の診断と定義に関する重要な議論が掲載されています.著者の国際作業グループ(IWG)は多くの大学や医療機関に所属する専門家たちで構成されたものですが,アルツハイマー協会(AA)により提唱された最新のAD診断基準について見直しを求めています.
2018年以降,ADはバイオマーカー(アミロイドやタウ)に基づいて定義される動きが加速しています.特に,AAによる新しい基準は,認知機能が正常であっても,アミロイドβやタウタンパクに関するバイオマーカーが陽性であればADと診断することを提案しています.これに対し,IWGは,ADを純粋に「生物学的概念(biological entity)」として扱うことの臨床的・社会的影響についての懸念を表明し,ADを「臨床-生物学的構造(clinical-biological construct)」として再定義する必要性を強調しています.つまりこの論文では,バイオマーカーはADの早期診断や研究において重要であるものの,「これらのバイオマーカーのみでADを診断することは危険を伴う」という立場を取っています.バイオマーカーは「病理的過程の指標」としての役割を果たすものであり,疾患そのものを決定づけるものではないという立場です.
要点は以下の3点です.
1.認知症がなく,ADバイオマーカーのみが陽性の認知機能が正常な人に対し,ADと診断することは慎重であるべき.
2.これらの人々は「ADリスク状態」とみなすべきであり,病気そのものと診断することは不適切である.
3.ADの診断は臨床症状とバイオマーカーの組み合わせに基づくべきで,認知機能障害が伴わない限り診断を行わないようにすべきである.
1の「認知機能が正常でADバイオマーカー陽性の人々への診断は慎重であるべき」については,研究においてはバイオマーカーの有用性が高く評価されているものの,臨床現場ではその限界が明白と述べています.実際,認知機能が正常な人がバイオマーカー陽性であっても,その多くはADの症状を生涯にわたって発症しないことが知られています.このため,IWGは2の「認知機能が正常なバイオマーカー陽性者をADリスク状態として扱うべき」としています.これにより,不要な心理的負担や社会的影響を避けることができます.
またIWGは,3の「ADを診断する際にバイオマーカーだけでなく臨床症状も考慮する必要がある」と提案しています.これにより,ADの診断が臨床症状と生物学的根拠の両方に基づいた,より正確で包括的なものとなるという立場です.さらにIWGは,認知機能が正常な人に対するバイオマーカー検査は研究目的でのみ行うべきとし,診断目的では避けるべきだと述べています.これにより,診断の不確実性を低減し,患者や社会に対する不要な不安を回避することができるとしています.
個人的な意見はIWGの立場に賛成です.AD治療薬を開発する立場の人の一部は,生物学的な定義により治療の可能性をどんどん追求しようと考えると思います.しかし実際の臨床になると上述したような問題が生じ,倫理的配慮が必要で,そう簡単には行かないです.研究者,医療関係者のみでなく,倫理学者などの他領域の専門家,患者・家族などさまざまなステークホルダーがこの問題に関して議論することが必要だと思います.今後,臨床症状とバイオマーカーのバランスを取った新しい診断ガイドラインの策定をすること,そして認知機能が正常でバイオマーカー陽性の人々が将来どの程度ADを発症するのかを明確にするための長期的なコホート研究を行うこと,そして患者と医療者に対する十分な教育とガイダンスの提供が求められるように思います.
Dubois B, et al. Alzheimer Disease as a Clinical-Biological Construct-An International Working Group Recommendation. JAMA Neurol. 2024 Nov 1.(doi.org/10.1001/jamaneurol.2024.3770)

2-5)新型コロナウイルス感染症COVID-19:最新エビデンスの紹介(11月4日)
**岐阜大学医学部下畑先生の2024年11月4日のFB投稿です**
今回のキーワードは,long COVIDの3つの遺伝的要因(免疫,ウイルス応答,血液型)が同定された,小児において肥満がlong COVIDのリスク因子として重要である,被殻の縮小は,long COVIDの症状負荷と遂行機能の低下と関連する,下部延髄網様体や縫線核がlong COVIDに関与している,急性期におけるニルマトレルビル・リトナビルはlong COVIDを減少させる,です.
FBで読みにくい方はブログ(https://tinyurl.com/27rq7lmu)をご覧ください.
◆long COVIDの3つの遺伝的要因(免疫,ウイルス応答,血液型)が同定された.
米国のバイオテクノロジー企業23andMeの研究.これまでで最大規模のゲノムワイド関連解析(GWAS)を行い,欧州系,ラテン系,アフリカ系アメリカ人を対象にした多民族メタ解析を実施している(long COVID 6万4384人,対照17万8537人).この結果,ゲノムワイドに有意な以下の3つの遺伝子座が特定された(図1).
1) HLA-DQA1–HLA-DQB・・・免疫応答の調整において中心的な役割を果たし,自己免疫や感染に対する反応に関連している.
2) ABO・・・血液型を決定するだけでなく,血液の凝固や免疫系の反応にも影響を与え,COVID-19の重症化や血栓形成に関与しうる(ABO型は過去にもCOVID-19の重症化リスクとの関連が指摘されていたが,どの血液型がよりリスクになるかまでは検討していない)
3) BPTF–KPAN2–C17orf58・・・免疫系やウイルス応答に関与する遺伝子群であり,特にウイルスの侵入や炎症反応において役割を果たす.
追加の解析でHLA-DRB1*11:04のバリアントがlong COVIDの発症と強く関連していることが分かった.この遺伝子は免疫応答において重要な役割を果たしており,ウイルス抗原に対するTリンパ球の反応を促進する.
さらにメンデルランダム化解析によって,慢性疲労(OR=1.59),線維筋痛症(OR=1.54),うつ病(OR=1.53)とlong COVIDとの潜在的な因果関係が同定され,それぞれがlong COVIDのリスクを有意に増加させることが明らかになった.これらの疾患は共通して免疫系や神経系の調節に問題が生じることが多く,遺伝学的検討からもlong COVIDと共通の病態生理を有すると考えられた.
Chaudhary NS, et al. Multi-ancestry GWAS of Long COVID identifies‬ ‭immune-related loci and etiological links to chronic fatigue‬ syndrome, fibromyalgia and depression.medRxiv (doi.org/10.1101/2024.10.07.24315052)‬‬‬‬
◆小児において肥満がlong COVIDのリスク因子として重要である.
米国の26の小児病院で行われた大規模な後方視的コホート研究.感染前の体格指数(BMI)が小児におけるlong COVIDリスクにどう関連するかを,急性感染の重症度を調整した上で検討した.5~20歳の小児および若年成人,計17万2136人を対象とした.結果としては,肥満を有するとlong COVIDのリスクが25.4%増加し(RR 1.25),重度肥満では42.1%増加(RR 1.42)していた.このコホート研究では,BMIの上昇はlong COVIDリスクの著しい増加と用量依存的に関連していた.
Zhou T, et al. Body Mass Index and Postacute Sequelae of SARS-CoV-2 Infection in Children and Young Adults. JAMA Netw Open. 2024 Oct 1;7(10):e2441970. (doi.org/10.1001/jamanetworkopen.2024.41970)
◆被殻の縮小は,long COVIDの症状負荷と遂行機能の低下と関連する.
英国からの研究.参加者はいずれもCOVID-19の既往歴がある24歳から65歳の43名の成人で,平均で731日経過後(範囲183-1160日)に頭部MRIスキャン(側坐核,尾状核,淡蒼球,被殻,視床,扁桃体,海馬の各領域体積,および灰白質,白質,脳脊髄液の総体積)およびlong COVIDの症状の程度,認知機能,睡眠の質との関連について検討された.この結果,long COVIDの症状負荷が高い患者では,被殻の体積が縮小していた.また被殻体積の減少は,作業記憶,遂行機能,認識記憶タスクでの反応精度が低く,遂行機能タスクの完了時間が長く,精神的健康や睡眠の質が悪化していた.
Vakani K, et al. Cognitive Function and Brain Structure in COVID-19 Survivors: The Role of Persistent Symptoms. Behav Brain Res. 2024 Oct 3:115283. (doi.org/10.1016/j.bbr.2024.115283)
◆下部延髄網様体や縫線核の障害がlong COVIDに関与している.
ケンブリッジ大学などによる英国からの研究.脳幹における異常がlong COVID患者における症状の持続と関連するという仮説を検証する目的で,超高磁場(7T)の定量的感受性マッピング(QSM)を施行した.これはT2*のMRI画像データから組織の磁気特性の違いを可視化し,微小出血や鉄の蓄積,慢性炎症,脱髄などの病理学的変化を検出する方法である.COVID-19で入院し回復した30名の患者と,COVID-19の病歴のない51名の対照者を対象にした.前者は平均219日後に脳幹のMRIを実施した.結果として,COVID-19患者の脳幹,特に延髄,橋,中脳において感受性の増加が確認された.具体的には,呼吸機能や生体恒常性を司る脳幹の領域である下部延髄網様体と淡蒼縫線核(nucleus raphe pallidus),不確縫線核 (nucleus raphe obscures)で感受性が増加していた(図2).これらの変化は急性期の炎症反応と関連し,入院期間や症状の重症度と相関していた.これらの脳幹の異常がlong COVID症状(疲労,呼吸苦など)に関連している可能性が示唆される.
Rua C, et al. Quantitative susceptibility mapping at 7 T in COVID-19: brainstem effects and outcome associations. Brain. 2024 Oct 7:awae215.(doi.org/10.1093/brain/awae215)
◆急性期におけるニルマトレルビル・リトナビルはlong COVIDを減少させる.
ドバイからの後方視的コホート研究.軽度から中等度の非入院COVID-19患者に対するニルマトレルビル・リトナビルの効果を評価した.対象は,2022年5月22日から2023年4月30日までの間に診療を受けた18歳以上の非入院患者で,合計7290名が含まれた.その中で672名(9.6%)がニルマトレルビル・リトナビルの治療を受け,残り6618名は未治療グループに分類された.治療により,症状発現から28日目までに,COVID-19関連の入院が著しく減少した(調整HR 0.39).さらに90日間の追跡期間中にlong COVID症状で診療を受けた患者は全体の2.8%(208人)で,その内訳は治療群で1.1%(8人),未治療群で3%(200人)と,long COVIDのリスクも有意に低下した(調整ハザード比0.42)(図3).つまり治療群が未治療群に比べてlong COVIDの発症リスクを約58%低減したことを示唆している.以上より,オミクロン変異株に対してニルマトレルビル・リトナビルが著しい効果を発揮し,重症および長期のCOVID-19症状の両者を軽減することが示唆された.
Saheb Sharif-Askari F, et al. Nirmatrelvir plus ritonavir reduces COVID-19 hospitalization and prevents long COVID in adult outpatients. Sci Rep 14, 25901 (2024).(doi.org/10.1038/s41598-024-76472-0)
関連情報:前回の最新エビデンスの紹介(9月29日)は、2024年10月のニュースをご覧ください。

2-6)パーキンソン病治療の戦略と今後の研究についての総説
**岐阜大学医学部下畑先生の2024年11月10日のFB投稿です**
最新号のNat Rev Neurol誌に分かりやすい図がありました.最新情報を含む,今後の講義にも使える良い図だと思いました.神経細胞のどの部位にどのような変化が生じているか,また治療の標的が何なのかがよく分かります.アルツハイマー病病理のタウやアミロイドβも書かれて,おやっと思われるかもしれませんが,いわゆる混合病理が病態にも関わっているという立場を取られています.
著者らは主にαシヌクレインの凝集,リソソーム機能障害,ミトコンドリア機能障害の3つがPDの病態において重要な役割を果たすと考えています.そして治療としては,凝集阻害剤によってαシヌクレインのmisfoldingや凝集を防ぎ,モノクローナル抗体を用いてαシヌクレインのクリアランスを促進することが提案されています.またグルコセレブロシダーゼの活性を上昇させる薬剤によりリソソームの機能を改善することや,Leucine-rich repeat kinase 2(LRRK2)阻害剤によってミトコンドリアの機能を回復することも期待されています.さらに,炎症や酸化ストレスといった病態もPDの進行に関与しており,これらも治療標的となっています.
また著者らは,PD治療の将来像として,早期診断とそのための疾患啓発活動,そして進行モニタリングのためのバイオマーカー開発が重要であると強調しています.血液や脳脊髄液中のαシヌクレインや神経フィラメント軽鎖(NfL),リソソーム関連マーカーなど,病態の進行をより正確に把握できる指標が確立されることで,PDの治療を大きく前進させる可能性があると述べています.特にRT-QuIC法を用いたαシヌクレインの検出は,診断精度の向上に寄与すると考えられます.
さらに,患者さんの生活の質(QOL)を高めるために個別化(オーダーメイド)治療が今後の研究の主軸となります.具体的には,遺伝的な背景や個々の病態に応じた治療を行うことが望ましく,がん治療など他分野で行われている複合治療戦略が,PDでも応用されることが期待されます.
Stocchi F, A. et al. Parkinson disease therapy: current strategies and future research priorities. Nat Rev Neurol (2024). https://doi.org/10.1038/s41582-024-01034-x

2-7)特集「ALS 2024」のあとがきと,難病医療における安楽死・医師介助自殺の倫理
**岐阜大学医学部下畑先生の2024年11月14日のFB投稿です**
Brain Nerve誌の11月号は筋萎縮性側索硬化症(ALS)の特集です(図2).診断と告知,新しい診断基準,緩和ケア,核酸医薬,治療薬開発の現状と,非常に勉強になる内容でした.そのなかでも福武敏夫先生×荻野美恵子先生×神田隆先生による鼎談「ALSの今日と明日」は勉強になりました.そのなかで,「難病患者さんにおける安楽死をどう考えるか?」についても議論がなされました.私はその感想をあとがきに書かせていただきました.編集部より許可をいただきましたので下記に掲載します.
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特集「ALS 2024」をお届けします.5年前の特集「ALS 2019」と比較しながら拝読しましたが,個人的に印象深く感じた点が2点ありました.1つめはやはり病態修飾薬が着実に臨床応用に近づいていることを実感した点です.ALSの臨床試験は近年,非常に多く行われ,ClinicalTrials.govを検索すると,参加者募集中のものだけでも146試験も登録されていました(2024年9月9日現在).ALSへの治療研究が急速に進められていることが伺えます.私も研修医時代にALS患者さんを担当したことで脳神経内科医への道を選びましたが,多くの医師,研究者にとって,ALSは何としてでも克服したい特別な疾患なのだと改めて思いました.
2つめは安楽死の問題が議論された点です.死を望む患者さんにどう対応すべきかは,病棟でもしばしば議論される重大な問題です.鼎談の中にも記載されていますが,スイスで安楽死を遂げた多系統萎縮症患者さんの事例がNHKで報道された際,日本の医療者からの反応がほとんどなかったため,国内の議論が停滞したままという事態が生じてしまいました.現状,医師介助自殺(physician-assisted suicide;PAS)を本気で望む患者さんは,外国人に対する自殺ツーリズムが認められ,民間団体が受け入れているスイスに渡航します.このような背景から,SNSでは日本でも安楽死を認めてもよいのではないかという意見をしばしば目にします.ただし,安楽死を認めているオランダでは,2012年からの8年間で,ALS患者の25%(1014 /4130人)が安楽死・PASを選択しているという報告1)があります(図1).さらに安楽死を希望した患者からの臓器移植が「避けられない死に意味を与え,必要とされる臓器提供の供給源となりうる」とされ2),オランダ,ベルギー,カナダ,スペインで「安楽死後臓器提供」が合法化されているという事実を知ると,日本においても十分な議論もなく安楽死を認めてしまうと,「すべり坂」,すなわち一歩足を滑らせたら,どこまでも転がり落ちるように本人の意思に反した安楽死が行われてしまうことが起きうるのではないかという懸念を持ちます.この問題はいつまでも避けて通れないものです.脳神経内科医もこの問題に真剣に向かい合う時期が来ているのではないかと思いました.
文献
1. Eenennaam RM, et al. Frequency of euthanasia, factors associated with end-of-life practices, and quality of end-of-life care in patients with amyotrophic lateral sclerosis in the Netherlands: a population-based cohort study. Lancet Neurol. 2023 Jul;22(7):591-601.(doi.org/10.1016/S1474-4422(23)00155-2)
2. van Dijk G, et al. Organ donation after euthanasia, morally acceptable under strict procedural safeguards. Clin Transplant. 2018 Aug;32(8):e13294.(doi.org/10.1111/ctr.13294)
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なおこの問題については9月27日,全国難病センター研究会第40回研究大会(大阪)にて恩師である西澤正豊先生(新潟医療福祉大学学長)に座長をしていただき特別講演をいたしました.また11月11日には岩崎靖先生(愛知医科大学加齢医科学研究所教授)にお招きをいただき,大学院講義をさせていただき,意見交換をいたしました.使用したスライドを下記よりご覧いただけます.皆さんはこの問題をどのようにお考えになるでしょうか?正しい知識・状況を理解したうえで,国民的議論がなされることが大切だと思います.
スライド
https://www.docswell.com/…/800…/ZN1V77-2024-11-14-050359
なお次号12月号は,恒例のクリスマス企画第4弾で「芸術家と神経学Ⅱ」です.私はレオナルド・ダ・ビンチの神経学について原稿を書きました(図3).おたのしみに!

2-8)頭蓋骨の骨髄は他の長骨と異なり,妊娠や脳梗塞などに対してダイナミックに変化する!
****岐阜大学医学部下畑先生の2024年11月19日のFB投稿です**
先日,日本神経学会のresidentホームページに「近未来の脳神経内科は頭蓋骨から診断し治療する!」というエッセイを執筆しました(https://resident.neurology-jp.org/…/future/future_15.html).またCOVID-19のSARS-CoV-2ウイルスが脳に侵入する経路として,頭蓋骨の骨髄ニッチが注目されていることも過去にブログでご紹介しました(https://tinyurl.com/25dqmh6j).頭蓋骨の骨髄は現在,脳との関連でとても注目を集めています.
この内容に関連する研究が,ドイツのマックス・プランク分子生物医学研究所をはじめとする多国籍の研究チームによりNature誌に報告されました.この研究では,成人の頭蓋骨の骨髄が生涯を通じて造血能力を維持し,それどころか拡張し続けるという驚くべき特性を持つこと,さらに生理的・病的な変化に対してダイナミックに適応することが示されました.
まず頭蓋骨の骨髄は加齢とともに血管が拡大し,とくに造血幹細胞(HSCs)の増加を伴いました.この血管と骨髄の拡大は,これまで研究されてきた大腿骨などの長骨とは異なり,老化の影響を受けにくいことが確認されました.図にあるように,若年期→中年期→壮年期→老年期にかけてのマウス頭蓋骨の血管領域は拡大し,血管の面積や直径が大きくなり,特に女性でその拡大が顕著でした.血管内皮細胞の表面に存在する糖タンパク質であるエンドムチン(endomucin)の発現も加齢に伴い有意に増加し,頭蓋骨骨髄の血管構造の安定性とHSCs機能の維持に寄与していました.この血管の拡大はHSCsやその前駆細胞の増加を支え,全身の造血量を増やします.頭蓋骨の骨髄は加齢性変化に対して保護されているということのようです.
さらに頭蓋骨骨髄が生理的・病的な変化に対しても迅速に適応を行うことも示されました.具体的には妊娠,脳梗塞モデル,血液腫瘍モデル(慢性骨髄性白血病),骨粗鬆症に対する副甲状腺ホルモン(PTH)の影響が検討されています.これらは頭蓋骨の血管および造血細胞に顕著な変化を引き起こし,骨髄は拡大していきます.例えば妊娠中に血管が拡張し,造血幹細胞やその前駆細胞が増加することで,母体の血液量や赤血球の需要を満たすための迅速な対応が可能になります.また,脳卒中モデルにおいても頭蓋骨骨髄が迅速に反応し,造血細胞が活性化され,回復に向けた支援を行うことが示唆されました.これに対し,長骨の骨髄はこれらの変化に対して限定的な反応しか示しません.さらに妊娠や脳卒中時,PTH治療時において血管内皮増殖因子(VEGFA)が増加し,骨髄内で血管の拡張と造血が促進されることも示されました.つまりVEGFA-VEGFR2シグナル経路が頭蓋骨骨髄の成長において重要な役割を果たしているようです.
頭蓋骨の骨髄ニッチについてまとめると,以下の特性を持っているようです.
1)老化耐性:加齢に伴う脂肪形成や炎症性サイトカインの増加,血管構造の劣化に対して耐性がある.
2)血管ネットワークとの連携:エンドムチン陽性洞様血管の拡張や血管密度の増加により造血細胞を支えている.これにより妊娠や脳卒中などに迅速に適応する.
3)分子特性:長骨と異なり,HSCの維持に寄与する特有の分子プロファイルを持っている.
頭蓋骨の骨髄ニッチが,脳の免疫を担う細胞を供給すること,脳と直接的なやりとりが可能な経路(頭蓋骨―髄膜結合)が存在することを考えると,頭蓋骨の骨髄が神経系の病態に対し防御的な役割を果たしている可能性は高く,将来,脳神経疾患の治療標的になる可能性を示すものと思われます.
Koh BI, et al. Adult skull bone marrow is an expanding and resilient haematopoietic reservoir. Nature. 2024 Nov 13.(doi.org/10.1038/s41586-024-08163-9)

 

(作成者)峯岸 瑛(ミネギシ アキラ)

カテゴリー
Long COVID パーキンソン病 直立2足歩行 認知症

2024年10月のニュース

今年のノーベル物理学賞と化学賞は、遂に人工知能関連の業績が対象になりました。今月の関連学術ニュースは、「歩行における左右の足の交互運動は厳密には制御されていない」という驚きのニュースと、下畑先生の最新医学情報からです。

1.2024年10月の活動状況
佐藤 ヒロ子さんの投稿
【イベント広場が全天候型舗装】 2024/10/1  奇麗になったイベント広場   早速歩きました    枯れ葉🍂    黄花コスモス      いい季節 #船橋ウォーキングソサイエティ #美姿勢ウォーキング #県立行田公園 #笑顔全開 #動画撮影 #呼吸筋活性化ウォーキング #健康効果アップウォーキング

田村 芙美子さんの投稿
北鎌倉テラススタジオ  ㊗15年  今日はまた夏の暑さが戻ってきましたが テラスは風が心地よく みんなで床にごろんと転がってコアトレ等々楽しみました。鳩の鳴き声に梟みたいね、とワイワイガヤガヤ。 町内の皆さんのジモト話が楽しいです。当初からの仲間がいなくなりちょっと寂しさを感じる今日この頃。 杉浦コーチは15年変わらぬおやじギャグです。

佐藤 恵さんの投稿
10/2.3の2日間、一関市、奥州市、平泉町、金ヶ崎町の保健師さんを対象にした講義&実技を担当させていただきました! 健康づくりのプロが対象ですから、プレッシャーもありましたが、顔見知りの保健師さんが多く、とても和やかに展開できたのがありがたかったです。 日々の保健指導に繋がれば嬉しく思います😌

佐藤 ヒロ子さんの投稿
「大穴総合スポーツクラブ健康教室」       〜ポールウォーキング講習会〜 2024/10/3 普段から良く運動されている方々からお呼ばれして行ってきました。 「ポールは年をとってから使うだけ じゃ無かった。ただ歩くのと全然違う〜」 「ポールって凄いんですね」 「大穴近隣公園」はスロープも有り 変化に富んだメニューで歩きました。 運動し慣れている人もびっくりの 運動効果! ポールに対する思い込みを払しょく! 今後は積極的に取り組んで頂けそうです。 #船橋ウォーキングソサイエティ #ポールウォーキング #ノルディックウォーキング #ノルディックウォーク #大穴総合スポーツクラブ

田村 芙美子さんの投稿
今朝は渋谷区の介護予防事業の一環 PW教室 秋の新学期開講でした。 夕べの豪雨で道路はまだ濡れて歩き難かったですが、こんな時2本のポールがあれば滑らず安心して歩けます。 新しいメンバーさんは体力測定の片足立ちで60秒を越しても微動だにせずストップと声をかけるまで悠々と続けるかたがあれば 3秒キープも難しい方まで。 体力の違う方々の一斉指導の良さは上手は下手の手本下手は上手の手本。

長岡智津子さんの投稿
郡山でもポールウォーキング広まっています💕 地域の観光案内ににポールウォーキングで歩きます。 ナイスアイデア👍 私も11月11日、郡山を歩きます🚶

Naomi Sakaiさんの投稿
みなとみらいわくわくPWの朝、急に風が吹いたと思ったら嵐のような横なぐりの雨にビックリ🫢 それでも大丈夫!絶対晴れる!と信じて雨が止んだ合間に出かける。 そして誰も休むことなく全員集合🤗初PW体験者も4名。 突然の雨の場合はビルに退避出来るところを選んで臨海パーク方面へ。 なーんと暑いくらいに晴れて☀️汗びっしょり!みんなで歩くと楽しい充実した時間。 次回は11月15日(金)    12月20日(金) #みなとみらい地区を歩こう #わくわくポールウォーキング #ステッキ工房

中村 理さんの投稿
佐久ポールウォーキング協会より PW三昧の1日(歩きました)ww 午前は教育委員会主催/PW教室で臼田/五稜郭(龍岡城)〜蕃松院〜新海3社神社〜上宮寺〜五稜郭約4kmの田舎原風景散策。タワワに実る柿が旨そうでした。 午後は56回ぞっこんさく市(いち)開催中/駒場公園に戻り出展ブースでPW体験会へ❗️ブース内ではウォーキング用ポールの販売も。 早朝からの雨も止み昨年に増して入り客の多さに驚いた初日でした。 明日は当協会駒場例会9時〜10時半も開催です さく市は最終日で〜15:30までですのでお越しください〜^_^

佐藤 ヒロ子さんの投稿
一昨日 講習会を開催して下さった 「大穴総合スポーツクラブ」の役員さんから写真が送られてきました 歴史と経験が深い団体様から呼んで頂き大変光栄に思います 役員さんの謙虚さと誠実さ 見習いたいと思います 大穴総合スポーツクラブ健康教室の皆様は明るく元気! 又 一緒に歩きたいです #大穴総合スポーツクラブ #船橋ウォーキングソサイエティ #ポールウォーキング #ノルディックウォーキング #ノルディックウォーク #大穴近隣公園

中村 理さんの投稿
佐久ポールウォーキング協会より PW駒場例会〜ww イベントで賑やかの中60名越えの集まりでした。遠く諏訪市からPWを広げたく学びに参加頂けたご夫婦や、佐久大学生1年と4年生/15名も実習で駆け付けてくれました。 来週は女神湖PW散策です〜ww 午後はイベント〜ぞっこん!さく市〜ブースに戻ってPWの案内と体験会開催でした。 2日間ご来場の会員や皆さん〜お疲れ〜でした❗️

水間 孝之さんの投稿
第4回ポールdeウォーク活動交流集会in会津若松! 記念講演は杉浦さん‼️ 流石の楽しく、充実した納得の講演でした‼️ お疲れ様でした‼️

佐藤 恵さんの投稿
今日は、福島県会津若松市へ!「ポールdeウォークの魅力を語る」で登壇させてもらいました! さらには、久々のリアル杉浦さんの講義。おやじギャグを炸裂させながらも、健康づくりにとっても大切なことを心に刺さる言葉でシンプルに伝えているスゴさ!やっぱり痺れました!! ポールウォーキング協会&シナノの水間さんとも久々にお会いし情報交換でき、有意義な時間を過ごすことができました! さぁ明日は、鶴ヶ城をみんなで歩きます♪

佐藤 恵さんの投稿
今日は、鶴ヶ城ポールdeウォーク! 杉浦さんのウォームアップからスタート!会津の鈴木さんが説明しながら歩いてくれました!ポールとノルディックの両方を体験。 心地良い汗をかきながら、いろんな人とコミュニケーションも取れ、会津の歴史も学べた贅沢な1日となりました♪

とちぎポールウォーキング会さんの投稿
ポールウォーキング体験・定例会参加者募集 毎月第2土曜日10時集合みなスポーツ~田川散策 毎月第3日曜日10時集合みなスポーツ~八幡山 毎月第4木曜日10時集合ヤクルト御本丸カフェ~城址公園  《健康づくり仲間づくりe-Sports体験・アイスで語らい》

新地 昌子さんの投稿
ここのところポールウォーキング三昧の週末を過ごしています。土曜日はぞっこん!さく市というイベントでポールウォーキング体験を担当していたところ、「最近学校で運動不足だからやってみたい!」という小学生が😄 ちょっとだけポイントを教えたら、歩く、歩く、早いし、しっかり地面を踏めてるし、上手い❗️待って〜〜💦 実は最近、小学生の歩き方が気になり始めていたところ。こんなに楽しく全身でポールを使ってもらえると、子どもとポールウォーキングで何かできないかなー、なんて想像がふくらみます。

中村 理さんの投稿
ポールウォーク三昧の癒しのひと時❗️ ヴィラデストワイナリー/玉村さんちでティタイム〜ww ワインや雑貨の買い物も〜❗️

台灣健走杖運動推廣協會さんの投稿
📢 2024年10月6日 【日式健走Basic Coach 培訓課程】圓滿結束!🎉 🇯🇵 日本健走杖協會NPWA唯一授權海外開課 🏆 🎉感謝大家的熱情參與, 也恭喜這次17位學員成功完成課程!🎓👏 這次培訓課程是NPWA唯一授權海外開設的健走課程,意義非凡! 課程內容涵蓋了日式健走杖的基本技巧、姿勢調整、步伐訓練等多方面知識, 讓每一位學員不僅學會了健走杖運動的精髓, 也進一步提升了個人的健走技能。💪🚶‍♂️🚶‍♀️ 🌟 期待未來更多挑戰, 接下來,協會即將開啟的進階課程 AC教練培訓課程, 將為BC教練們提供更深入的專業訓練, 敬請期待,讓我們一起向更高的目標邁進!🚀💯 讓我們一起 #共同推廣這項健康有益的運動 💖

台灣健走杖運動推廣協會さんの投稿
2024年【日式健走Basic Coach 培訓課程】

田村 芙美子さんの投稿
一昨日は夏日だったのに風向きが変わり昨日から急に寒くなりました。風邪などひかないように。 今日の Dojoサークルは何故か朝から♫ハワイアン♬♪体幹チェック兼ねて腰をひねり片足交互のSTEP そして各関節を滑らかに yī èr sān sì & パタカラスクワット 衆院解散。石破・野田氏は1957年生まれ! 私よりずっと若いんですね。私も相当の年寄りだと自覚www

田村 芙美子さんの投稿
雨が上がり秋らしくなり、寒いくらい。が、あすはまた夏日に?今日の貯筋クラスは新しい方を迎え久々に倉庫に預けてある貯筋棒を取り出してきました。以前からのメンバーさんたちが、気持ちいい~気持ちいい~と大感動の声。初めて使ったかのような感激ぶりに笑ってしまいました。仲間の背中をコロコロ転がして芋虫のように一列になっていました(^O^)🐛 スマホ忘れその様子が撮れず残念でした。そして朝タンの話。

佐藤 ヒロ子さんの投稿
【あの手この手で】 2024/10/10   前方着地メソッドと 後方押し出し型メソッド 分れて肩甲骨を寄せる練習 それだけで 〇〇が減って  〇〇が増えた〜 あの手もこの手も   効いたみたいです      (*^^*)

佐藤 恵さんの投稿
今日は、一関地域保健推進委員研修会で、「貯筋運動」を指導してきました! 美智子上皇后さまの大腿骨骨折の話をさせていただき、退院後に普段通りの生活に戻るためには、筋肉貯金が大切であることを伝えました。 美智子さまが早く良くなるよう祈りつつ、ケガや病気のリスクを下げ、早期復活を可能にする日々の筋トレの重要さが伝わったのなら幸いです。

校條 諭さんの投稿
西武国分寺線は単線だって、はじめて知りました。 10月の気まポ(気ままにポール歩き)は快晴の小平市が舞台でした。 西武国分寺線の鷹の台駅に集合、小平市中央公園でウォーミングアップ、玉川上水沿いの木々の間を行きました。 途中、個人宅を開放している森田オープンガーデンに立ち寄り、休業中の「こもれびの足湯」を横目に見て、西武拝島線東大和市駅近くの東京都薬用植物園に到着、ゆったりくつろぎました。 メンバーのひとりは、来週末100km歩きのイベントに参加されるそうです。 今回欠席の一人は長崎でゴルフ、別の一人は孫の運動会。 今回のコースは、以前新里るりさんの会に参加してとても快適だったので、真似させてもらいました。 一部田村和史さん撮影の写真を拝借しています。

中村 理さんの投稿
佐久ポールウォーキング協会より 当協会のマスコット犬🐶〜 癒しのセラピー犬の藤井七葉(ナナハ/フミヤ)の活躍が新聞記事に掲載されました。 4〜5kmの散策にも文句❓も言わず、参加者を癒しながらの4足歩行です〜ww 明日の女神湖PW散策にも参加予定です。 いつもご苦労様です‼️

佐藤 ヒロ子さんの投稿
【心はひとつ    地域で皆HAPPY♥】 2024/10/12  塚田地区スポーツ推進協議会    の依頼で 「#初めてのポールウォーキング」 指導を #県立行田公園 にて行ないました 今年で2回目です #塚田地区スポーツ推進協議会 #船橋ウォーキングソサイエティ 近隣の人達の健康を願う企画が 良い形で継続しています #姿勢を良くしたい #歩幅を大きくしたい #正しいウォーキング法を知りたい #ウエストを細くしたい #足首が痛いからポールが良さそう #歩行力を上げたい 参加動機は様々です。 其々の期待にポールウォーキングは 応えられそうです 参加者・主催者チーム・ 船橋ウォーキングソサイエティチー厶 健康を願う気持ちがひとつになり HAPPY♥な日になりました 感謝の一日です

中村 理さんの投稿
佐久ポールウォーキング協会より 秋🍂恒例の〜女神湖PW散策〜でした。 快晴で少し肌寒く紅葉はもう少しの湖畔でしたが、中央分水嶺の林道コースと湖畔周遊コースに別れてのポールウォークを楽しんだ皆さんでした。 今回も佐久市内だけでなく、遠くは関東勢(遠藤夫妻 瀧MCproと母上)や 周辺地域からの一般の参加者が来て頂いている事にPWの繋がりを感じています。 締めは〜きのこ鍋定食〜を囲んでのランチでした。 ・・とUPしている当方ですが私用で本日欠席でしたが、頼り甲斐ある協会コーチのみんなが楽しんで開催してくれました。 みんな〜お疲れ様でした。

佐藤 ヒロ子さんの投稿
【美・姿勢ウォーキング】 2024/9/15  秋はしっかり歩きだよ〜  上半身を起こして肘引きね  スマートベルトを使って  身体へ意識付けも    いい感じです #船橋ウォーキングソサイエティ #美姿勢ウォーキング #県立行田公園 #パワーウォーキング #日本ウォーキング協会 #健康ウォーキング指導士 #JWA公認指導員

田村 芙美子さんの投稿
今日は十三夜 午前の広町里山グループは久々に 谷戸を囲む尾根道を草花を楽しみながら2時間近く歩きました。先回まで暑さを避け室内だったので 森の風を感じながら自然を満喫できました。ポールのお陰でどの道も皆さん安心して歩けました。

スマイルチームさんの投稿
2024.10.13〜17 活動記録 ☺︎上鶴間公民館利用団体懇談会全体交流会 ☺︎上鶴間公民館利用団体懇談会役員会 ☺︎相模原スポーツフェスティバル(欠席) ☺︎上溝包括支援センター主催ポールウォーキング教室① ☺︎シニアサポート活動上半期利用者チェック ☺︎健康体操サークル ☺︎スマイルチーム上溝 ☺︎公民館利用抽選申し込み 4団体

水間 孝之さんの投稿
マスターコーチ2日間セミナー10月18日、19日シナノ本社で開催しました。 5名の受講者、4名の講師陣、安藤名誉会長のご指摘をいただきながら良い緊張感の中明るい2日間でした‼️ 今回は名誉会長、講師陣とも異論無く全員合格です‼️ 受講者の熱意と努力の賜物です。マスターコーチプロ目指して2回のインターンセミナー精進お願いします‼️

日本ポールウォーキング協会 npwaさんの投稿
10月18、19日にMC2日間セミナーが(株)シナノで開催され、5名の受講生全員が合格されました👏 今年の受講生は非常に勉強熱心な方ばかりで、マニュアルを熟読し暗記されている方もいらっしゃいました。 PWに対する熱意とスキルに、安藤名誉会長、講師陣とも感心いたしました。 今後、5名の受講生は2回のインターン研修を終了し、晴れてMCProの仲間入りとなります。

佐藤 ヒロ子さんの投稿
【上半身を働かせたら   歩きは変わる】   2024/10/19  土曜日コースもポイント練習  前方着地型も後方押し出し型も    無理のない上半身運動の  コツは肩甲骨を寄せるよ♫ #船橋ウォーキングソサイエティ #ノルディックウォーキング #ノルディックウォーク #ポールウォーキング #JWA健康ウォーキング指導士 #全身の9割の筋肉を使う運動 #肩甲骨 #スポーツの秋 #海老川をポールで歩く

Ruri Nissatoさんの投稿
また派遣のお仕事を頼まれて2か月間働くことになりました。 東京都のシニア雇用事業 今日は事前研修で新宿へ。 シニア雇用を取り巻く環境から 即戦力としてシニアがどう働くか。。。 あらためて学び、気が引き締まりました😊 心身共に健康であること 気力を充実させる 思考転換 positiveに! そんな簡単な事から専門用語まで。汗 何人かのシニア男性の健康法が面白かったです😅 久しぶりの新宿駅西口 小田急デパート🏬の建てかえは知ってたけど、実際目にすると‼️ こんなに工事中なのぉ⁉️ 全く田舎モンの私ですw 研修のあとは   都庁の食堂で眺めを楽しみひと休み😊 2時すぎで食堂は終わっていて、持参したお弁当を食べてる人が多かったです。 モンベルを偵察して帰宅😆

佐藤 恵さんの投稿
本日、弥栄市民センター主催、いやさか祭りステージにて、プチ健康体操教室を行ってきました! 子どもからお年寄りまで、みんなで参加していただき、とっても楽しかったです♪ 青空の下での体操は、最高でした😊

長谷川 弘道さんの投稿
イベントの秋🍂 昨日は、我が街長久手のジブリパークこと愛・地球博記念公園にて、鈴木智香子代表のohanaフィットネスさんのトレーナーの1人として、ある企業様の社内健康イベントに参加いたしまして、子供向けの運動プログラム(遊びットネス)および、ポールウォーキングを担当させていただきました❗️ こちらの会社では、これまでの社内研修会を打破すべく、社員家族にも参加できるような企画ということで、今回ohanaさんの企画が採用となりました。 社員の皆さんとそのご家族、総勢80名ほどに皆さんが、自律神経コンディショニングやピラティス、そして子供達は運動遊びプログラム『遊びットネス』、家族参加でのポールウォーキングに、それぞれ選択して参加いただきました😊 終了後、担当者の方から、大変有意義で楽しい企画でしたとの感想もいただきました❣️ 参加された皆さんに楽しんでいただけたことが何よりですね❗️ また、その午後は滋賀県に向かいまして、日本ウォーキング学会に参加してまいりました。 一番最後の写真は、琵琶湖でございます😲琵琶湖を近場で見たのは人生初かと思います❗️ 今回の学会参加は、慶應大学の山内賢教授のポスター発表の 1人として参加しました。 数名の先生方の講演も拝聴しましたが、「歩行寿命」という言葉を使われていらしゃったのが印象に残りました。 そして、今日日曜日は愛知県は津島市でウォーキングイベントに参加。 このイベントは毎年恒例のイベントで、今回で19回目。私も半分くらいは参加してますかね。。。 毎回、準備体操、整理体操を担当させていただいています。 今回は、ご高齢の方で膝腰の具合が悪く長距離歩くのは少し大変、という方を対象として、椅子体操を1時間ほど実施。 一人でも多くの市民の皆んに参加していただきたいという主催者のお気持ちがこうした形となりましたね❣️ 老若男女、600名の皆さん参加です‼️ ウォーキングから戻ってきますと、ボランティアの皆さんがカレーを作ってお迎えです❣️ 体を動かし、多くの皆さんと交流を楽しむ❗️ 運動、食事、社会交流が健康の3本柱といわれるようになっていますね。 この三要素が全て揃ったこの津島ウォークイベントは素敵ですね❣️ #ohanaフィットネス #遊びットネス #ポールウォーキング #健康経営 #日本ウォーキング学会 #慶應義塾大学体育研究所 #津島市

柳澤 光宏さんの投稿
佐久平ハーフマラソン無事完走!今年はバスケ仲間と偶然一緒に走りました。記録も昨年から3分短縮(⁠^⁠^⁠) 仲間の力は大きいなぁと実感。足が動かなくなっても、なんとかついて行こうと思えるし、なにより気持ちが切れそうで“歩きたい”と思っても、仲間がいれば頑張れてしまう!それを今回体感しました(⁠^⁠^⁠)雑談しながら走るのも気分転換にいいしね! 運営スタッフやボランティアの皆さん本当にありがとうございました! さて明日の身体が心配だ(⁠T⁠T⁠)

森川 まことさんの投稿
あびこポールウォーキング倶楽部 あけぼの山公園。 コスモスを摘み、モルックで遊び、楽しく歩きました。

台灣健走杖運動推廣協會さんの投稿
📢 【2024健走杖健康活力輕旅行】 新北林口民視站 活動圓滿結束!🎉 今天我們的健走杖夥伴們, 在新北林口民視站度過了一個充實且充滿活力的早晨!🌞 🚶‍♂️🚶‍♀️ 大家一早邊健走邊欣賞林口的美麗風景, 接著參觀了民視大樓, 了解電視台背後的故事, 更深入了解了我們身邊健康生活的重要性。📺🌳 活動中特別安排娘家保健品介紹,讓大家認識如何選安心用心的保健產品,親身體驗到了它們對於我們健康的好處!💊 同時,阿瘦皮鞋也提供了專業的足部健康檢測, 讓我們更加關注雙腳的健康!👣👟 此外,很多夥伴們在完成健走後, 還利用joiisport app打卡記錄, 並且蒐集到了專屬的獎章🎖️! 這真是一個既健康又充滿科技感的健走體驗啊!📱🏅 感謝所有參與的朋友們,期待我們下一次的輕旅行!讓我們繼續走出健康,邁向更美好的生活!💪✨ #2024健走杖健康活力輕旅行 腳丫聚樂部 娘家保健生技 A.S.O 阿瘦皮鞋

Naomi Sakaiさんの投稿
【UR横浜南永田 ポールウォーキングサークル立ち上げ事業】 千葉、埼玉そして横浜では初のURを任されました。 高齢者が多くなったUR団地の皆さんが自宅にこもらず自力で団地の階段を上がれるよう健脚になってもらいたい! だからポールウォーキング! 桜が満開の4月に打ち合わせをして6月からスタート 月に2回× 4ヶ月= 全8回 10/20 ラストとなり無事にサークルが立ち上がりました。 URの方、そしてこの地区の保健活動推進委員、地域包括支援、社会福祉協議会の方々もこの事業を応援してくださり毎回参加。YouTubeでも紹介されることになりました。 保健活動推進委員の方が中心にPWサークルを引っ張ってくださいます。ネックとなっていたポールも用意され更に助成金でポール購入も考えて下さいます。 皆さんで楽しく和気藹々とそして階段だってなんのその。健脚になっていただきましょう。 この活動が次に繋がることを切に願います。 #ポールウォーキング #ポールウォーキング協会 #URサークル立ち上げ事業
関連情報:本件を紹介した横浜市社会福祉協議会のYoutubeチャンネル「ヨコフクチャンネル」は、こちら(2024年11月1日追記)。

田村 芙美子さんの投稿
猛暑の夏は活動休止。久しぶりの三浦ネットPWグループでした。神奈川健康生き甲斐つくりの会員だった頃3年前に地域のメンバーで結成。 月一市内をコースを変えて歩いています。今日は女子3人で先にランチをしてから時計台広場に男性陣と合流。まず寿福寺へ。山門前で美しい参道を見ながら念入りウォーミングアップ。北条政子や実朝の墓地横の山道を登って 源氏山公園へ。鎌倉5名水の一つ銭洗弁財天宇賀福神社の銭洗水で小銭を洗って 皆さんは福祉センター定例会へ。私は佐助隧道を抜けて帰宅🏠👣

柳澤 光宏さんの投稿
昨日の日刊工業新聞に掲載いただきました。いろんなご縁で取材をしていただくことになりました。ありがたいことです! 昨日から地元の中学生が社会体験で4人実習にきています。次女と同じクラスの子もいるようで、地元の大きな中学なのであちこちに実習にいっておりセブンでも見かけましたね。次女は母校の小学校へ体験実習したようです(心ではシナノに来ないかなぁと思っていましたが・・・)。1年生に教えたようですが、小さい子どもを教えたり仕切ったりしている次女の姿が全く想像できず(^.^)現場を覗きたい!! 昨日は読売新聞の取材を受けたり、母校の学校評議員会だったりでバタバタ。生徒会3役から今年の方針を聞きましたが、しっかりしていて頼もしい! さて今日は交通会館のテナント会へ。

佐藤 ヒロ子さんの投稿
【秋だもの】  しっかり歩くのはいつ?   今でしょ!  2024/10/24 #船橋ウォーキングソサイエティ #2本のポールを使うウォーキング #ポールウォーキング #ノルディックウォーキング #ノルディックウォーク #インターバルウォーキング #持久力アップ #心肺機能アップ #気分スキッリ #身体の声を聞きながらマイペース #行田公園

田村 芙美子さんの投稿
午後から社協なごやかセンターでPW教室。26日(土)はなごやかフェスタだそうですが、鎌倉ミステリーとぶつかりましたのでお手伝い等失礼いたします。既に開催中のギャラリー展を覗いて来ました。 鳥の絵にタッチするとその鳥の鳴き声が聞こえる電子ペン✏は優れものです。   🐦 🦜 🐥 🐦‍⬛ ポールウォーキング教室は中強度歩き、7秒スクワット、筋トレ各種で暑い上に(汗)を流し、運動量バッチリ!朝タン20も浸透して来ました。健康寿命延伸クラスです。

遠藤 恵子さんの投稿
記念すべき創立30周年記念イベントで2講座(足裏筋膜を整えよう/ポールウォーキング)講師を担当させていただきました。 パワフルで自由すぎるアクティブシニア、後期高齢者の皆さんと賑やかに講座をおこなう事ができました! このような大学に通われている方や イベントに参加される方は基本おゲンキ!! ゲンキすぎるw 皆さん、イキイキしておられますね! 良い経験になりました! ありがとうございました!

田村 芙美子さんの投稿
夏休み明けの「鎌倉ミステリーno.9」東京~神奈川の合同大所帯25名で歩きました。懐かしいもと杉ポの校條さんも遥々御一緒にポールでハイキング。私は日頃歩きなれた道ですが初めてのかたにはすこし凸凹道がハードでしたか。楽しかった~との感想を頂きほっとしました。 ハイキングコース下の北条高時腹切りやぐら~東勝寺跡(北条高時等870余人が自害)~宝戒寺橋~紅葉山やぐら~宝戒寺は 生き延びた高時の息子時行の鎌倉奪還劇にちなむ場所。アニメ「逃げ上手の若君」は個人的に私のブームです。
関連FB投稿Naomi Sakaiさんの投稿校條 諭さんの投稿

中村 理さんの投稿
佐久ポールウォーキング協会より 本日のポールウォークは 佐久市内中部横断自動車道・長野区間/臼田ICを降りた地域の「北川区」秋の公民館活動に呼ばれてのPW体験会でした。 この地域はIC開通と共に従来未開発地域に工業団地や統合小学校が出来たり・・とこれからの賑わいが大予想される田園エリアで、15名程の興味津々の参加者とPW闊歩でした。

佐藤 ヒロ子さんの投稿
習志野台地域ケア会議主催  ウォーキング講座 【良い歩き方を知る】     2024/10/26 ネット検索されて船橋ウォーキング・ソサイエティがケア会の主旨に合っているとの事でお呼びがかかりました 「地域ケア会議 」の熱意凄い!  講座を盛り立ててくれる  沢山のイラストが貼られました  地域住民を元気にしたい気持が  グングン伝わってきます    それに応え講堂内の参加者も  やる気に満ち溢れていました。  40代〜80代迄の30名超えの参加  実技と理論  「量より質のウォーキング」  対話も弾む楽しい体験会  になりました   今日も出会いに感謝です    #船橋ウォーキングソサイエティ  #良い歩き方を知る #健康ウォーキング指導士 #パワーウォーキング指導士 #地域ケア会議 #習志野台公民館 #良い歩き方6つのポイント #中之条研究 #一日8000歩速歩20分

田村 芙美子さんの投稿
朝から横須賀線下りは5分遅れ。今日は逗子のPW教室で20数名集合。猛暑と雨で延び延びになり漸く皆さんと顔を合わせた定例会。PWの3つのポイントを復習し肩の力を抜いて街の散歩道をゆったり歩きました。ここは紅葉が始まっていい雰囲気です。次回は小網代へ遠足です。

スマイルチームさんの投稿
2024.10.21〜29 活動記録 ☺︎スマイルチーム光が丘 18名 ☺︎上溝ポールウォーキング教室 15名 ☺︎ポールエクササイズ資料作成 ☺︎健康体操サークル 13名 ☺︎ベトナムアンサンブルチャリティーコンサート観劇 10名 ☺︎上鶴間包括担当者とミーティング ☺︎星が丘ポールウォーキング 4名 ☺︎EEOAオンラインセミナー①受講  アンケート提出 ☺︎スマイルフレンズ 18名 ☺︎ルネポールウォーキング 3名 ☺︎上溝ポールウォーキング教室 15名

田村 芙美子さんの投稿
今朝は小雨も混じり寒かったですね。市場公会堂でDojoレッスン。下半身強化のスクワットか変顔の筋トレ(選択式)。変顔は顎の筋肉を鍛える・・らしい。ベルトを使ってトレーニングのあとマットでは 新型「闇バイト詐偽対策のポーズ」練習www 赤ちゃんのように小さくなります。 笑いメニューの指導は勿論3本杉コーチです。 午後はフリーでしたので のんびり歩いて帰りました。

 

来月以降の開催
台灣健走杖運動推廣協會さんの投稿
「11.11世界健走杖日」全國雙杖健走大會師

がんばっぺ チャリンコさんの投稿
郡山市制施行100周年記念事業の一環として、がんばっぺチャリンコがイベントを企画しました。 旧久留米藩士が郡山に入植した明治11年11月11日に因んで11月11日(月)に開催いたします。因みに来年は久留米・郡山姉妹都市提携50周年でもあります♪ 更に11月11日は「ポールウォーキングの日」でもあります。 開拓者の「夢をあきらめないというフロンティアスピリット」に溢れている開成山公園。 11月11日の記念すべき日に、久留米藩士が刀から持ちかえた鍬を更にポールに持ちかえて、秋のウォーキングを楽しみませんか。🍂

 

2.関連学術ニュース
今年度のノーベル物理学賞と化学賞は、人工知能AI関連の研究業績が受賞しましたが、同化学賞の対象となった研究については、2024年5月のニュース2023年10月のニュースで紹介しています。

2―1)歩行における左右の足の交互運動は厳密には制御されていない!~歩行障害の原因究明、新たなリハビリ手法・歩行支援装置への応用に期待~
**大阪大学生命科学・医学系2024年9月20日、基礎工学研究科青井伸也教授他の研究成果に関するプレスリリースです**

研究成果のポイント
・歩行における左右の足の交互運動は厳密には制御されていないことを発見
・複雑な身体運動のために、これまで肢間協調(左右の足を協調的に動かすこと)の制御の実態をつかむことができなかったが、位相縮約理論とベイズ推定の手法により可能に
・肢間協調を積極的に制御しないことは、エネルギーを効率化できるほか、ある程度のゆらぎを許容することでさまざまな状況に対応できる能力の向上にもつながるため、このような制御戦略をとっていると予想される
・加齢や脳疾患による歩行障害の原因究明や、新たなリハビリ手法・歩行支援装置への応用に期待

概要
我々は、左右の足を交互に前に出して歩きます。この左右交互の関係性が崩れてしまうと歩行機能の低下を招くため、左右の足はきっちりと交互に前に出すように比較的厳密に制御されていると予想されていましたが、歩行における複雑な身体運動のために、その実態は未解明でした。

大阪大学大学院基礎工学研究科の青井伸也教授、海洋研究開発機構の荒井貴光研究員、京都大学大学院情報学研究科の青柳富誌生教授らの研究グループは、左右の足を協調的に動かす肢間協調の制御様式を位相縮約理論に基づく位相振動子を用いてモデル化し、健常者の歩行中の計測データ(図1)を用いたベイズ推定により推定しました。その結果、これまでの予想に反して、左右の足の交互運動は、左右交互の関係から少しくらい外れても、元に戻そうとするような制御は働いておらず、この関係性は必ずしも厳密には制御されていないことを世界で初めて明らかにしました。

歩行中の左右の足の協調性は加齢や脳疾患によって減退してしまい、歩行機能の低下を招いてしまいます。本研究成果により明らかにした肢間協調の制御様式が加齢や脳疾患によってどのように変化するかを今後調べることで、歩行機能が低下する原因の究明や、新たなリハビリ手法・歩行支援装置の開発などにつながると期待されます。

本研究成果は、英国科学誌「Communications Biology」に、9月20日(金)18時(日本時間)に掲載されました。

図1. 歩行計測実験

研究の背景
我々は、左右の足を交互に前に出して歩きます。例え歩幅を大きくして、リズムを早めて速度を上げたとしても、さらには走ったとしても、左右交互の関係性は変わりません。むしろ歩行中にこの関係性が崩れてしまうと、上手く歩けなくなってしまいます。そのため、左右の足はきっちりと交互に前に出すように比較的厳密に制御されていると予想されていましたが、歩行における複雑な身体運動のために、その実態は未解明でした。

研究の内容
左右の足を協調的に動かすことは肢間協調と呼ばれています。研究グループは、この肢間協調の制御様式を位相縮約理論に基づく位相振動子を用いてモデル化し(図2)、トレッドミル上での歩行中に断続的に速度を変化させることで左右交互の運動を乱した時の健常者の計測データ(図1)を用いたベイズ推定により、肢間協調の制御様式を推定しました。その結果、これまでの予想に反して、左右交互の関係から少しくらい外れても、左右交互に戻そうとするような制御は働いておらず、ある程度外れてからようやく、それを戻そうとする制御が働くことがわかりました(図3)。すなわち、自動車のハンドルにおける遊びのように、全く制御の働かない区間が存在し、左右交互の関係性は必ずしも厳密には制御されていないことがわかりました。

図2. 位相振動子を用いた肢間協調制御のモデル化

図3. 肢間協調の制御様式(予想と推定結果)

実は、真っ直ぐ歩く場合には左右の足を交互に前に出すのですが、曲がり道などで左右非対称な運動を作り出す場合には、左右交互の関係性を故意に崩します。積極的に制御しないことは、無駄なエネルギーを使わずに済みますし、左右交互の関係性を常に保持するのではなく、ある程度のゆらぎを許容することは、さまざまな状況に対応できる能力の向上にもつながるため、このような制御戦略をとっていると予想されます。

本研究成果が社会に与える影響(本研究成果の意義)
歩行中の左右の足の協調性は加齢や脳疾患によって減退してしまい、歩行機能の低下を招いてしまいます。本研究成果により明らかにした肢間協調の制御様式が加齢や脳疾患によってどのように変化するかを調べることは、歩行機能が低下する原因の究明や、新たなリハビリ手法・歩行支援装置の開発などにつながると期待されます。

特記事項
本研究成果は、2024年9月20日(金)18時(日本時間)に英国科学誌「Communications Biology」(オンライン)に掲載されました。

タイトル:“Interlimb coordination is not strictly controlled during walking”
著者名:Takahiro Arai, Kaiichiro Ota, Tetsuro Funato, Kazuo Tsuchiya, Toshio Aoyagi, and Shinya Aoi
DOI:10.1038/s42003-024-06843-w

用語説明
・位相縮約理論
周期的な閉軌道(リミットサイクル)を有する多次元からなる力学システムを、位相振動子を用いて近似的に記述する数学的手法。
・ベイズ推定
観測事象から、推定したい事柄を確率的な意味で推論すること。
・位相振動子
周期的な振る舞いを位相を用いて記述するもの。
・トレッドミル
モーターにより回転するベルトの上を歩行する装置のこと。ルームランナーやウォーキングマシンとも呼ばれる。

2-2)岐阜大学医学部下畑先生からの最新医学情報
積極的に情報発信されている下畑先生の最近のFB投稿からです。

2-2-1)パーキンソン病治療薬レボドパの吸収に影響を及ぼす要因と具体的な対策
**岐阜大学医学部下畑先生の2024年9月22日のFB投稿です**
パーキンソン病治療の中心的な薬剤レボドパの吸収には個人差が大きく,さまざまな要因が関与することが知られています.私もレモン水は吸収に良いとか,高タンパク食は良くないとか患者さんにアドバイスしてきましたが,十分にメカニズムは理解していませんでした.今回,J Parkinsons Dis誌に分かりやすい総説がありましたので,ご紹介したいと思います.
【レボドパが小腸で吸収されるメカニズム】
複数のトランスポーターが関与し,腸管→細胞内→血中の順に取り込まれます(図1).
① rBAT/b(0,+)AT(中性・塩基性アミノ酸トランスポーター);レボドパを腸内から細胞内へ運ぶ.
② LAT2(大型アミノ酸トランスポーター);細胞内から血液中にレボドパを運ぶ.
③ PepT1(ペプチドトランスポーター1);ペプチドの輸送を担当し,レボドパ吸収にも関与する.
④ TAT1(芳香族アミノ酸トランスポーター1);芳香族アミノ酸(トリプトファンやフェニルアラニン)とともにレボドパの輸送を助け,腸内でのレボドパの排出に寄与する.
これらのトランスポーターではレボドパとアミノ酸が競合することが多く,高タンパク質の食事をとると吸収が阻害される可能性があります.特にアルギニンやロイシンなどのアミノ酸は,レボドパと同じトランスポーターを利用します.このためアルギニンやロイシンが多く含まれる食品(ナッツ類,海産物,卵,乳製品など)は少なくともレボドパ服用時には控えることが重要です.
レボドパ内服のタイミングは日本の添付文書では「食直後」となっています.おそらく空腹時にレボドパを服用することで起きる胃腸障害や不快感を避けるためと考えられます.しかしレボドパの吸収効率の最大化を考えると「食事の1時間前または食後2時間後」に服用することがこの論文では推奨されています.しかしジスキネジアを認める症例では,吸収が促進されてレボドパの血中濃度が高くなればジスキネジアがより顕著になる可能性もあります.つまり患者さんの状態により,内服タイミングを決める必要があるのだと考えられます.
【その他の吸収への影響因子】
① 消化管の機能:便秘や胃運動障害などで消化管の運動が低下している場合,レボドパの吸収が低下することがあります.このため十分な水分摂取,食物繊維の摂取,そして定期的な運動が推奨されます.ビタミンCはレボドパの吸収を促進し,その効果を持続させる可能性があります.β2作動薬は消化管の蠕動運動を促進し吸収を促す可能性があります.
② 薬物の併用:ガバペンチンやプレガバリン,トリプタン,一部の抗うつ薬などがレボドパと同じトランスポーターを共有することがあり,吸収が阻害される可能性があります.また鉄剤やカルシウムなどのサプリメントもレボドパの吸収を妨げることがあります.逆にカフェインの適度の摂取はレボドパの効果発現までの時間を短縮し,運動機能を改善する可能性があります.
③ 熱ストレス:レボドパの吸収を妨げることが示されています.高温の環境下ではトランスポーターの発現が低下し,吸収効率が低下するそうです.長時間のサウナや熱い風呂,過度な日光浴などは避けたほうが良いです.
【まとめ】(図2)
◆レボドパ吸収に良い影響を与える要因:
カフェイン,大豆,食物繊維,ビタミンC,β2作動薬,炭酸水,レボドパの溶解液
◆レボドパ吸収に悪い影響を与える要因:
抗コリン薬,プレガバリン/ガバペンチン,バクロフェン,アルファメチルドパ,メルファラン,三環系抗うつ薬,高タンパク質の食事,高温環境
Pedrosa de Menezes AL, et al. Molecular Variability in Levodopa Absorption and Clinical Implications for the Management of Parkinson’s Disease. J Parkinsons Dis. 2024 Aug 31.(doi.org/10.3233/JPD-240036)

2-2-2)機能性神経障害患者さんに「医原性の害」を与えないために ―ヒポクラテスの誓いの観点から―
**岐阜大学医学部下畑先生の2024年9月28日のFB投稿です**
古代ギリシャの医師ヒポクラテスが残した「ヒポクラテスの誓い」は,医師が患者を治療する際の倫理的なガイドラインとして今なお広く尊重されています.その中でも最も重要な教えの一つが「まず,害を与えない(Primum non nocere)」です.もちろん医師は患者さんに害を及ぼさないよう最善を尽くしています.しかし無意識のうちに「医原性の害(iatrogenic harm)」をもたらしていることがあります.その代表例が機能性神経障害(FND),歴史的にヒステリー,心因性疾患,解離性障害,転換性障害,身体表現性障害,心気症などと呼ばれてきた疾患への対応です.コロナ禍以降,複数の病院を受診したものの診断がつかず,回り回って来院したFND患者さんを少なからず診療しました.そのような患者さんは適切な対応がなされなかったため症状が悪化したり,精神的に傷ついたりしていました.このためFNDへの取り組みの必要性を感じ,先輩や仲間の先生方のお力をお借りして「機能性神経障害診療ハンドブック(https://amzn.to/4empy4i)」を作ったわけです.
今回,Brain誌に掲載された総説は,FNDにおける「医原性の害」に焦点を当て,その原因と対策を提案しております.とくに重要なのは2つの表です.
◆「医原性の害」の8つの原因(表1)
① 誤診による不必要な治療:他の神経疾患と誤診されることによって,FND患者さんが不必要な薬物治療や手術を受けるケースが頻繁にあります.
② 誤診による心理社会的な害:誤診により他の疾患からFNDに診断が変わり,患者さんは混乱したりアイデンティティの喪失感を抱き,精神的な苦痛を経験します.
③ 診断と治療の遅れ:FNDの診断が遅れ,適切な治療を受けられない期間が長引くと,症状の慢性化やQOLの低下が起きます(FNDも治療が遅れると回復困難になります).
④ 医療現場での暴行や不適切な対応:緊急医療の現場では,FND患者に対する不適切な診察や対応(不要な痛み刺激や,意識障害を呈する臥位の患者の顔に手を落とすなど)が報告されています.
⑤ ラベリングによるスティグマ:FND患者は「仮病」とか「偽発作」として扱われることがあり,社会的なスティグマに苦しむことが多く,患者さんの自尊心を傷つけ,治療への意欲を削いでしまいます.
⑥ 機能性障害の概念の誤用と誤解:FNDが「精神的な問題」と誤解され,患者が正当な治療を受けられないことがあります.
⑦ 過小診断や過剰診断:FND患者が他の神経疾患も併発している場合,それが診断や治療の過程で見逃されることがあります.FND患者の新たな症状が出現した際に,十分な検査が行われないケースもあります.
⑧ その他の疾患との混同による誤診:精神疾患等を有する患者さんに対して,十分な評価を行わずにFNDと診断されることがある.
◆ 医原性の害を軽減するための5つの方法(表2)
① 誤診のリスクを減らすための診断基準の明確化:FNDは「除外診断」ではなく,診断基準,具体的には「陽性徴候」に基づいて正確に診断されるべきです.これにより,誤診のリスクが大幅に軽減されます.
② FNDを早期に診断リストに含める:診断の早期の段階からFNDを考慮することで,診断の遅れによる害を減らすことができます.
③ 教育・啓発を行う:医療従事者に対する教育を強化し,FNDに関する最新の知識を普及させることが重要です.患者さんのコミュニケーション不足やスティグマを防止します.
④ FNDに対する医療サービスの改善:FNDに対する治療の提供が,他の神経疾患と同等に行われるよう,リソースの充実や研究資金の増加が求められます.
⑤ 患者団体や専門家との連携強化:患者団体や専門家との協力を強化し,FNDに対する社会的認識を向上させる必要があります.
この論文は,医療現場においてFND患者のケアを改善し,被害を最小限に抑えるための重要な指針となるものだと思います.オープンアクセスですのでぜひご一読ください.
Mcloughlin C, Lee WH, Carson A, Stone J. Iatrogenic harm in functional neurological disorder. Brain. 2024 Sep 6:awae283.(doi.org/10.1093/brain/awae283)

2-2-3)新型コロナウイルス感染症COVID-19:最新エビデンスの紹介(9月29日):子供から健康な成人まである認知機能低下のリスク
**岐阜大学医学部下畑先生の2024年9月29日のFB投稿です**
今回のキーワードは,long COVIDによる日本の経済的損失は2024年のGDPの1.6%に相当する,神経認知症状は小児期と青年期でもlong COVIDの主要症状であり,とくに小学生で記憶力や集中力の障害が多い,long COVID患者は「内部の震えや振動」を呈する,COVIDワクチンの効果が長持ちしないのは長寿命抗体産生細胞ができないためである,スパイク蛋白はフィブリンと結合して炎症性の血栓を形成し神経症状をきたす,long COVIDやワクチン後の副反応が女性に多い理由は性ホルモンで説明できる,健康な若年成人への感染で認知機能は低下するものの自覚的には気づかない,入院を経験した患者では感染1年後も脳損傷マーカーが高値を示す,です.
現在のCOVID-19の問題は認知機能の低下であり,成人のみならず,小児にも生じているという心配な研究が報告されています.一方,なぜ感染後に血栓ができやすいのか,なぜCOVID-19では症状の性差があるのか,なぜCOVIDワクチンは防御効果が長持ちしないのか,といった疑問に答えが出つつあります.
FBで読みにくい方はブログ(https://tinyurl.com/26amba3m)をご覧ください.
◆long COVIDによる日本の経済的損失は2024年のGDPの1.6%に相当する.
著名なEric Topol先生やAkiko Iwasaki先生らによるlong COVIDの現状を概説した総説.Long COVIDの世界的累積罹患者数は約4億人で,経済へのマイナス効果は年間約1兆ドル(世界経済の約1%に相当)と推定されている.日本経済に与える影響を見ると,総労働時間の損失が約1800万時間と推定され,GDPへの損失は約722億米ドルで,これは2024年の日本のGDPの1.6%に相当する.Long COVIDによる労働力の損失は,経済成長や産業に深刻な影響を及ぼしており,特に高齢化社会である日本においては,労働力不足がさらに顕著になることが懸念されている.long COVIDの問題は看過すべきでなく,世界的な研究と政策が必要である(Topol先生は「悲しいことに,私たちは深い否定論に陥り,コロナウイルスの脅威を乗り越えたかのような妄想を抱いています」とおっしゃっています).
Al-Aly Z, et al. Long COVID science, research and policy. Nat Med. 2024 Aug;30(8):2148-2164.(doi.org/10.1038/s41591-024-03173-6)
◆神経認知症状は小児期と青年期でもlong COVIDの主要症状であり,とくに小学生で記憶力や集中力の障害が多い.
米国RECOVER研究.5367人の小児(6~11歳)および青年(12~17歳)のlong COVIDを検討した縦断的観察コホート研究.小児では記憶力や集中力の問題が最も顕著で,約62%に認められた.睡眠障害も64%で認めた.これらの神経認知症状は頭痛や身体の痛みにも関連していた.一方,青年期では,記憶力や集中力の障害は47%とやや少なく,しかし頭痛や疲労感を伴うことが特徴であった(頭痛は55%,日中の眠気や低エネルギー状態は約80%).年齢層ごとに異なる症状パターンが存在するため,個別の対応を要する.
Gross RS, et al. Characterizing Long COVID in Children and Adolescents. JAMA. 2024 Aug 21:e2412747.(doi.org/10.1001/jama.2024.12747)
◆long COVID患者は「内部の震えや振動」を呈する.
米国イェール大学よりオンライン調査を使用したlong COVIDにおける「内部の震えと振動感(internal tremor and vibrations)」というあまり知られていない症状に関する横断的研究.手足や体全体で震えや振動を感じる.「筋肉が震えているような感覚がある」,「皮膚のすぐ下で神経が振動している」などと表現されるが,外見からは分からないため注目されてこなかった.成人423人の37%に認め,特に女性に多かった.この症状を認める人は,ユーロQOLで測定した健康状態がより悪く (40対50ポイント,P = 0.007),肥満細胞障害(11%対2.6%, P = 0.008)や神経疾患(22%対8.3% , P = 0.004)の頻度が高かった.この症状を認める患者では,振戦,視覚的なフラッシュ,脱毛,手足のしびれ,胸の鋭い痛み,耳鳴などが多かった.自律神経の乱れや神経炎症,末梢神経障害が関与している可能性がある.この症状を理解し,適切に対応することが求められる.
Zhou T, et al. Am J Med. 2024 Jul 26:S0002-9343(24)00470-4.(doi.org/10.1016/j.amjmed.2024.07.008)
◆COVIDワクチンの効果が長持ちしないのは長寿命抗体産生細胞ができないためである.
米国エモリー大学からの研究.COVID-19 mRNAワクチンは重症化予防に有効であるが,接種後の抗体値が短期間で急速に減少するという問題があった.COVIDワクチンを接種した19名の成人を対象に,接種後2.5~33か月にわたって骨髄から採取したサンプルを分析した.対照であるインフルエンザや破傷風ワクチンでは骨髄に長寿命抗体産生細胞(long-lived plasma cell;LLPC)が定着し,その割合も高かったが,SARS-CoV-2に対する抗体産生細胞は短寿命抗体産生細胞に集中し,LLPCはほとんど認められなかった(図1;注).これがCOVIDワクチンで抗体応答が短期間で減少する理由と考えられた.長寿命細胞が抗体を産生し,長期的な免疫応答を提供できる新たなワクチンの開発が求められる.
注;PopA,PopB,PopDは,骨髄内の異なる抗体産生細胞のサブセットを指す.
PopA (CD19+CD38hiCD138−):新たに形成された抗体産生細胞の集団を指し,比較的短命で,骨髄内に移行したばかりの細胞
PopB (CD19+CD38hiCD138+):中間的な成熟段階にある抗体産生細胞
PopD (CD19−CD38hiCD138+):長寿命抗体産生細胞(LLPC),何年にもわたって抗体を産生し続けることができる成熟した抗体産生細胞の集団
Nguyen DC, et al. SARS-CoV-2-specific plasma cells are not durably established in the bone marrow long-lived compartment after mRNA vaccination. Nat Med. 2024 Sep 27.(doi.org/10.1038/s41591-024-03278-y)
◆スパイク蛋白はフィブリンと結合して炎症性の血栓を形成し神経症状をきたす.
COVID-19では血栓形成に伴う神経障害が生じる.米国UCSFなどの研究チームはスパイク蛋白がフィブリンと結合し,炎症性の血栓を形成することが明らかにした.この結合により分解が非常に困難になり,COVID-19患者で見られる分解されにくい血栓形成の原因となっていた.スパイク蛋白の存在下で,フィブリン線維が細くなった異常な血栓構造を認める(図2上).またスパイク蛋白はフィブリンの重合を促進し,異常な血栓の形成が進む(図2下).さらにフィブリンは肺における酸化ストレスとマクロファージの活性化,NK細胞の抑制を引き起こし,ウイルスの排除を妨げる.加えて脳の微小血管を損傷し,血液脳関門の破壊と神経障害の進行を促進する.フィブリンを標的とした治療法の開発が求められる.
Ryu JK, et al. Fibrin drives thromboinflammation and neuropathology in COVID-19. Nature. 2024 Sep;633(8031):905-913.(doi.org/10.1038/s41586-024-07873-4)
◆long COVIDやワクチン後の副反応が女性に多い理由は性ホルモンで説明できる.
トランス男性とは出生時に女性とされたが,その後,テストステロン療法を受け男性である人である.このため性ホルモンは著しく変化するが,免疫系にどのような影響が生じるか不明である.カロリンスカ研究所よりトランス男性23人の縦断的解析が報告された.この結果,テストステロンによりⅠ型インターフェロン(IFN-I)応答が減少し,腫瘍壊死因子(TNF)応答が強化されることが分かった.具体的にはプラズマサイトイド樹状細胞(外界のウイルス侵入を感知し,抗ウイルス因子発現を誘導する初期応答を行う細胞)や単球でのIFN-I応答が抑制され,NK細胞や単球でのTNF,IL-6,IL-15の産生が増加し,NF-κBシグナル伝達経路が活性化された.つまり免疫応答が性ホルモンによって動的に調節されることが示された.COVID-19における性差もこれにより説明できる可能性がある.
1)なぜ男性におけるCOVID-19感染は死亡率が高いか?
男性ではテストステロンによるIFN-I応答↓炎症性サイトカイン産生(TNFやIL-6)↑,つまりサイトカインストームが生じやすく,男性の死亡リスクが高まる
2)なぜ女性ではlong COVIDやワクチン副反応頻度が高いのか?
女性ではIFN-I応答が強くウイルスの制御に役立つものの,強い免疫応答が慢性的な炎症や持続的な免疫活性を引き起こしやすく,これがlong COVIDの原因となる可能性がある.同様にIFN-I応答が強いためワクチン接種による免疫系の活性化が高く,副反応も強い可能性がある.
Lakshmikanth T, et al. Immune system adaptation during gender-affirming testosterone treatment. Nature. 2024 Sep;633(8028):155-164.(doi.org/10.1038/s41586-024-07789-z)
◆健康な若年成人への感染で認知機能は低下するものの自覚的には気づかない.
倫理的に物議を醸したヒトチャレンジ試験(感染実感)について英国からの報告.34人の健康な若年成人ボランティアをSARS-CoV-2ウイルスに感染させ,その後1年間にわたり,記憶や認知機能の変化を詳細に追跡した(ワクチン接種なし).図3は総合認知スコア(bcGCCS)の結果であるが,感染者群(緑色の線)は,灰色の線の非感染者群と比較し,認知機能が著しく低下していること示されている(全時点の平均差 = −0.8631,p = 0.009)(非感染者群はタスクを繰り返すことで学習効果があるためスコアがベースラインより上昇するが,感染者群では認めず,むしろベースラインからの低下が持続している.感染による認知機能の低下は少なくとも1年間は持続する.重要なことは,感染者の多くが自覚的には認知機能の低下を感じていないにもかかわらず,客観的な認知テストでは明らかな差が観察された点である.
Trender W, et al. Changes in memory and cognition during the SARS-CoV-2 human challenge study
eClinicalMedicine, 76, 102842, 2024(https://www.thelancet.com/…/PIIS2589-5370(24…/fulltext)
◆入院を経験した患者では,感染1年後も脳損傷マーカーが高値を示す.
英国の研究.COVID-19で入院を経験した患者351人を対象に,感染後1年間にわたり追跡調査を行った.脳損傷マーカーは健常者と比較して有意に高く,特に神経学的合併症を伴った患者では顕著だった.図4は,脳損傷を示す血清マーカーである神経フィラメント軽鎖(NfL)とグリア線維性酸性タンパク質(GFAP)の値が,COVID-19患者では大幅に上昇し,とくに神経学的合併症を伴った患者で著しいことを示している(微小管障害を示すタウも上昇).感染後1年経過しても,これらのマーカーが高いことから,脳損傷が長期にわたり持続することが確認された(ワクチン接種率は19%).
Wood GK, et al. Post-hospitalisation COVID-19 cognitive deficits at one year are global and associated with elevated brain injury markers and grey matter volume reduction. Nat Med. 2024 Sep 23.(doi.org/10.1038/s41591-024-03309-8)

2-2-4)NHK きょうの健康 「最新!認知症予防 14のポイント」
**岐阜大学医学部下畑先生の2024年10月4日のFB投稿です**

Lancet委員会による科学的根拠に基づいた,エビデンスのある認知予防14個+αのポイント(https://tinyurl.com/24fktzmo)について解説しました.具体的には教育機会の不足・難聴・うつ病・頭部外傷・運動不足・喫煙・糖尿病・高血圧・肥満・過剰飲酒・社会的孤立・大気汚染,そして今回,新たに追加された高LDLコレステロール血症・視力障害です.これらを個人が改善したり,社会で対策できれば,認知症を最大で45%予防したり,発症を遅らせることが可能と考えられています.これに今後,追加されると思われる睡眠障害と食事についても解説しました.なるべく分かりやすくお伝えしたいと考え,NHKのご担当者と,原稿やボードを工夫しながら作りました.また内容は下記の番組ホームページでほとんどお読みいただけます.ぜひ認知症予防にお役立ていただきたいと思います.再放送は10月10日(木) 午後0:00〜午後0:15で,見逃し配信もNHK+からご覧いただけます.
番組ホームページまとめ https://tinyurl.com/29h73kp3
下までスクロールして「続きを読む」をクリックしてください.
写真はアナウンサーの岩田まこ都さんと.

2-2-5)中等度~高度の頭部外傷後の認知症発症の予測に有用な血漿バイオマーカー ―発症メカニズムはアルツハイマー病と異なる―
**岐阜大学医学部下畑先生の2024年10月6日のFB投稿です**
Lancet委員会が報告した認知症の修正可能な14の因子の中に「頭部外傷」が含まれています.今回,Brain誌にオーストラリアから,慢性外傷性脳損傷(TBI)における認知機能障害のメカニズムを明らかにする目的で,血漿バイオマーカーを検討した研究が報告されました.
対象は,サッカー,ラクビー,アメフトのような複数回の頭部打撲を繰り返す人ではなく,中等度から重度のTBIを1回受傷し,その外傷から10年以上(平均22年)経過した患者です.具体的にはTBI患者90名と,健常者32名を対象としています.TBIの原因としては自動車事故(57%),歩行中の自動車との衝突(16%),オートバイ事故(8%),転倒(6%),自転車事故(6%)でした.方法としては,血漿バイオマーカー(UCH-L1,リン酸化タウ[P-tau181]など)と画像診断を組み合わせています.
さて結果ですが,TBI患者では健常者と比較してUCH-L1およびP-tau181値がそれぞれ67%ないし27%と,有意に上昇していました(AUC はそれぞれ0.616,0.632)(図上).それぞれのマーカーは以下のような意味を持つため,神経細胞損傷や軸索損傷,神経変性が継続している可能性を示唆しています.
◆UCH-L1(ユビキチンC末端ヒドロラーゼL1):神経の軸索の維持や輸送,タンパク質の代謝に関与する.外傷やストレスがかかると,神経細胞から放出され血中に増加する.
◆P-tau181(リン酸化タウタンパク質181):アルツハイマー病などの診断マーカーとして知られている.脳内での持続的な神経変性プロセスが進行している可能性を示唆する.
一方,PET検査で,アミロイドβやタウの蓄積はこれらのTBI患者には認めなかったため,TBIの神経障害の過程はアルツハイマー病とは異なる可能性が示唆されました(物理的脳損傷と異常蛋白の蓄積では病態が異なる可能性?TBIでは蓄積するタウの量が少なく検出困難な可能性?もしくは蓄積するタウの種類が異なり,PETで検出できない可能性?など).またMRIの解析では,TBI患者では白質の微細構造に広範な変化が生じており,これが認知機能の低下と関連する可能性が示唆されました.さらに言語エピソード記憶の低下はP-tau181およびUCH-L1値の上昇と関連していることも示されました(図下).
以上のようにUCH-L1およびP-tau181はTBI後の神経病理変化の進行を追跡するための有望なバイオマーカーであること,またTBIの病態はアルツハイマー病とは異なることが示されました.アメフト,ラグビー,サッカーなどのコンタクトスポーツによる慢性外傷性脳症でもこのような変化が認められるか,おそらく検討されることになると思います.
Spitz G, et al. Plasma biomarkers in chronic single moderate-severe traumatic brain injury. Brain. 2024 Sep 24:awae255.(doi.org/10.1093/brain/awae255)

2-2-6)ALS,アルツハイマー病の早期診断に向けた新たな技術開発 ~病因タンパク質 TDP-43,アミロイドβを超高感度で検出可能に~
昨日,以下のプレスリリースをさせていただきました(https://tinyurl.com/ykpbch8o).
**岐阜大学医学部下畑先生の2024年10月10日のFB投稿です**
岐阜大学大学院連合創薬医療情報研究科の本田諒准教授,大学院医学系研究科の下畑享良教授,岐阜薬科大学の位田雅俊教授らのグループは,神経変性疾患の発症に関わるTDP-43 およびアミロイドβ凝集体の超高感度検出技術を開発しました.この技術は,新たに発見された「Brij-58」という特異な性質をもつ界面活性剤を使用することによって,従来のシード増幅アッセイ法(SAA 法)の検出感度を飛躍的に向上させたものです.この技術により,最小 5 フェムトグラムという超微量の凝集体の検出が実現し,実際の患者の脳組織に蓄積した病的凝集体を検出することも可能となりました.本技術は,将来的には「ALS などの神経変性疾患の早期診断や早期治療介入」に貢献することが期待されます.本成果は,日本時間 2024 年 10 月 8 日に Translational Neurodegeneration誌のオンライン版で発表されました.
背景を少しご紹介しますと「シード増幅アッセイ(SAA)法」は異常凝集体を試験管内で増幅することによって,これらを超高感度で検出する技術です.この技術はプリオン病やパーキンソン病で蓄積する異常凝集体を検出することが可能であり臨床応用が進んでいますが,ALSやアルツハイマー病の原因とされるTDP-43 やアミロイドβの異常凝集体に関しては十分な検出精度がありませんでした.これらの病的タンパク質の検出においては,反応基質となる正常型モノマーが非常に不安定ですぐに失活してしまうため,従来技術では異常凝集体の十分な増幅を起こすことができませんでした.従来法での検出限界はおよそ 15 ピコグラムであり,この精度では病理学的に有意な微量の凝集体を捉えるには不十分でした.
そこで本研究では,新たなタンパク質の安定化技術を目指し,新たな界面活性剤「Brij-58」を発見することで,異常凝集体を効率よく試験管内で増幅し,従来の SAA 法を大幅に改良し,従来の検出限界をはるかに上回る,最小 5 フェムトグラムからの検出を実現しました.今後,ALS,アルツハイマー病の早期診断や早期治療介入に貢献するものと期待しています.
Sakamoto S, et al. Ultrasensitive detection of TDP-43 and amyloid-β protein aggregates using micelle-assisted seed amplification assay. Transl Neurodegener. 2024 Oct 8;13(1):51. (doi.org/10.1186/s40035-024-00444-7)オープンアクセス
以下,新技術の概略図とBrij-58の作用メカニズムを示す図です.

2-2-7)誤解されがちなレプリコンワクチン,作用と効果を科学的に正しく理解しよう!
**岐阜大学医学部下畑先生の2024年10月14日のFB投稿です**
レプリコンワクチン接種者の入店拒否などの騒動が報道されていますが,「レプリコンワクチンって本当はどうなの?」という質問を何人かに聞かれました.最近,臨床試験の結果も出ているので,まとめておきたいと思います.まず,このワクチンはスパイクタンパクの遺伝子に加えて,RNAレプリカーゼという酵素の遺伝子も組み込んだmRNAワクチンです.従来のコロナワクチンでは,インフルエンザワクチンなどと比較して「長寿命抗体産生細胞」ができにくいため(Nature Med 2024;doi.org/10.1038/s41591-024-03278-y),抗体価が短期間で低下するという重大な欠点があります.ワクチンの効果切れ状態は,高齢者では生命予後に関わりますし,若い人でもlong COVIDや認知機能低下のリスクがありますので,抗体価が長く持続するワクチンの開発が急務です.
【少ない接種量で,効果の持続期間が長いことがメリット】
mRNAワクチンは細胞内でスパイクタンパクが一過性に産生され,免疫応答が誘導されます.一方,レプリコンワクチンでは,細胞内で一過性に発現したRNAレプリカーゼがスパイクタンパクをコードするmRNAをコピーして,接種後1週間程度mRNAが維持されるため,接種後8日程度までスパイクタンパク質が発現します(その後,mRNAは低下・消失します).また投与量も従来より少ない量で済みます(mRNAは約6分の1です).
【レプリコンワクチンが作り出すのはスパイクタンパクのみで,感染性のあるウイルスを生成しない】
なぜこのような騒動が起きたのか考えると,おそらく「自己増幅型」という名称だけ見て,このワクチンの原理を調べなかった人が,誤った考えを広げてしまったのかなと思います.重要な点は,「レプリコンワクチンが作り出すのはスパイクタンパクのみであり,感染性のあるSARS-CoV-2ウイルスを生成しない」ということです.この点は,従来のmRNAワクチンと同じです.話題になっている「シェディング(shedding)」というものは,ワクチンの成分が他に伝播して健康被害を起こすという仮説です.その根拠となっている論文を読みましたが,単なる仮説で「スパイクタンパクが特定のアミノ酸配列を持つため,プリオン病理に関与する可能性」などが書かれています.このジャーナルはPubMedにも収載されておらず,反ワクチンの内容を掲載することで知られ,査読も不十分で信頼性が低いようです(https://ijvtpr.com/index.php/ijvtpr/article/view/23).
【臨床試験で分かったこと】
さて,最新のLancet Infect Dis誌に,日本国内の11の臨床施設において実施され,レプリコンワクチンARCT-154(商品名コスタイベ)のブースター接種による免疫応答の持続性を,従来のmRNAワクチンであるBNT162b2(コミナティ:ファイザー)と比較した研究が報告されています.接種後の抗体価推移を示す図A,Bでは,50歳未満および50歳以上の年齢層におけるWuhan-Hu-1株に対する中和抗体価の変化が示され,いずれもARCT-154がBNT162b2を上回る結果を示しています.図C,Dは,50歳未満および50歳以上のOmicron BA.4-5株への中和抗体価を示していますが,やはりARCT-154が長期間にわたり高い免疫応答を維持しています.以上より,ARCT-154は従来のmRNAワクチンよりも持続的な免疫応答を提供し,特に高齢者への有効性が期待されます.副反応については,日本の国内第3相臨床試験のデータを見てもほぼ同等です.「日本でしか行われていないから不安」との意見もありますが,ベトナムでは追加免疫について承認申請されている他,欧州でも承認申請の段階であり,米国ではFDAと交渉し,承認申請に向けて準備中とのことです.日本が誇る非常に素晴らしい技術と言えるのではないかと思います.この論文を読み,個人的にはコスタイベを接種してもいいかなと思っていますが,1バイアル16人分で取り扱いがしにくいらしく,どのクリニックでも接種ができるというものではないのかもしれません.
Oda Y, et al. 12-month persistence of immune responses to self-amplifying mRNA COVID-19 vaccines: ARCT-154 versus BNT162b2 vaccine. Lancet Infect Dis. 2024 Oct 7
(24)00615-7.(doi.org/10.1016/S1473-3099(24)00615-7)

2-2-8)パーキンソン病の進行はαシヌクレイン抗体の長期使用で抑制できる!!
**岐阜大学医学部下畑先生の2024年10月19日のFB投稿です**
アルツハイマー病に対するアミロイドβ抗体は,細胞外に蓄積するタンパクを標的にするのに対し,αシヌクレインやタウ抗体は細胞内で作用する必要があり,抗体療法が有効である可能性は低いと考えられてきました.しかし近年,タウ抗体が細胞内でタウの分解を促進することが分かってきており,αシヌクレイン抗体も同様に有効性を発揮する可能性があります.候補となっているαシヌクレイン抗体は3種類あり,プラシネズマブは凝集したαシヌクレインを主に標的とし,BIIB054はフリーフォーム,MEDI1341は両方の形態に作用すると言われています.
最新号のNat Med誌に,プラシネズマブの早期パーキンソン病(PD)患者の運動機能に対する効果を検討したPASADENA試験が報告されました.この研究はロシュ社による第II相試験で,その目的はプラシネズマブ(PRX002/RG7935;月1回の静脈内投与)の効果を評価することです.最初の12ヶ月間は偽薬群と実薬群に分かれた二重盲検試験,その後,偽薬群はプラシネズマブに切り替えられ,すべての参加者が5年間のオープンラベル延長に進みました.この時期の偽薬群はないため,代わりに,PPMIコホート(国際的な観察研究)を外部比較群として使用しています.遅延開始群では,最初の1年間偽薬を投与された後にプラシネズマブに切り替えられます.早期開始群は試験開始からプラシネズマブを継続して投与されます.このため,両群の治療開始タイミングの違いを踏まえた効果の比較が可能となります.
まず最初の12ヶ月間の二重盲検期間では,MDS–UPDRS Part IIIスコアの変化をみると,実薬群は偽薬群に比べて運動機能の進行が抑えられていましたが,主要評価項目であるMDS–UPDRS総合スコアの改善は有意ではありませんでした(2022年に報告:N Engl J Med. 2022;387(5):421-432).
つぎに5年間のオープンラベル延長(OLE)フェーズについては,運動機能を示すMDS–UPDRS Part IIIのスコアは,早期開始群および遅延開始群のいずれにおいても,PPMIコホートと比較して進行が抑えられていました.とくにOFF状態とON状態のいずれにおいても,プラシネズマブ群はスコアの悪化が大幅に抑制され,早期開始群でスコアのOFF状態の進行が65%,ON状態では118%抑えられており,遅延開始群でもそれぞれ51%,94%の進行抑制が見られました.また日常生活の運動機能を示すMDS–UPDRS Part IIでも,早期開始群が−40%,遅延開始群が−48%の改善を示しました.これらの結果は,プラシネズマブが運動機能の低下を長期的に抑制する可能性を示唆しています.
図は上記の結果がグラフ化されています.治療開始後の数年で早期開始群と遅延開始群のスコアをPPMIコホートと比べると顕著な差が生じたことが分かります.しかし早期開始群と遅延開始群の間で,開始早期からすぐに差が現れるわけではなく,3年目から4年目にかけて明確になってきたことが言及されています.プラシネズマブの効果は時間をかけて発現する可能性があるようです.またDaT-SPECTでは,脳画像上の改善は見られなかったことから,プラシネズマブはドーパミンシナプスの機能維持に寄与するものの,輸送体の機能には直接的な影響を及ぼさない可能性が示唆されました.
以上より,プラシネズマブは早期PD患者の運動機能の進行を抑制する有望な治療法である可能性が示唆されます.しかしオープンラベル延長研究であるため偽薬群がなく,プラセボ効果の影響を完全に排除することが難しい点が問題です.今後,効果と安全性を検証するさらなる長期的な試験が必要と考えられます(現在PADOVA試験=P2b試験という別のプラシネズマブを用いた臨床試験が進行中です).
Pagano G, et al. Sustained effect of prasinezumab on Parkinson’s disease motor progression in the open-label extension of the PASADENA trial. Nat Med. 2024 Oct 8.(doi.org/10.1038/s41591-024-03270-6)

(作成者)峯岸 瑛(みねぎし あきら)

カテゴリー
ALS Long COVID パーキンソン病 認知症予防

2024年8月のニュース

残暑時には、冷房の効いた室内で、最新の医学情報を入手しては如何でしょうか?種々の感染症が認知症の発症と関連するようですし、ALSに対するブレイン・コンピュータ・インターフェース(BCI)技術も発展しています。今月も岐阜大学の下畑先生が発信された最新医学情報の数々をお届けします。

Ⅰ、2024年8月の活動状況
名古屋フィジカル・フィットネス・センターさんの投稿
昨日は、愛知県は大口町にお邪魔しまして、午前、午後で1講座ずつの講師を務めてまいりました。 大口町保健センターさんが主催しました「健康推進員研修会」でした。 各講座、20〜30名の皆さんに参加いただきました。 こちらの講座は昨年の12月にも開催しており、昨日は半年ぶりの再会となりました。 町民の皆さんで、健康推進員として、各地域で住民の皆さんを対象として各種の健康づくり事業活動を展開されている皆さんです。 この大口町は3万人ほどの町で、やはり高齢化が進んでいる町ですが、横のつながりが高い地域で、こうした住民の皆さんによるボランティア活動は積極的に行われています。 私はこの大口町さんとはぼちぼち20年近いおつきあいになります。 その中で、生活習慣病予防をはじめ、特定保健指導、ポールウォーキング講座などを担当させていただき、昨年度からは3年間に及ぶ健康づくり推進員の任命を受けたり、本年度は委託事業もやらせていただく予定です。 こうして、住民の皆さんの健康づくりの一端を担わせていただけることに大きなやりがいを感じております。 大切なことは、こちらからの一方通行的な情報提供にとどまることなく、住民の皆さんがインプットされた後に、アウトプットする時に支援させていただくこと! コロナの影響を長らく受けた自治体の事業ですが、ようやく本年度からほぼ正常に戻った感じがします。 まだ反応が鈍い印象を受けますが、1人でも多くの住民の皆さんが「参加したい!」と思っていただける講座を展開し、フィットネスの輪を広げていくことに燃えています❗️😊

田村 芙美子さんの投稿
おはようございます 東京渋谷です 珍しく誰もいないので8月のハチ公 を撮っていると 国籍不明の女性が肩をたたき ワン、ワンと話しかけてきました   U^q^U   WAN?   ん? ハチ公と一緒に写真を撮りましょうか、と言ってくれたようです take oneね 振り返るといつの間にか記念写真を撮るための行列ができていましたwww これから介護予防PW教室です 先週は定員15名全員出席でしたが、今日はどうでしょう 施設の階段をお借りして階段・坂道昇降練習の予定です

田村 芙美子さんの投稿
🪷かまくら ポールウォーキング体験会 8/27or 9/5  手にした2本のポール(杖・ストック)を身体の前におきながら歩きます 4本脚になり安定します ・最近足(膝)腰の調子がよくなくて気になる方 ・転ぶのが不安で外歩きを躊躇っていらっしゃる方 ・もっとよい姿勢で歩幅広く(お棺の中まで)自力で歩けるようになりたい方 ・人生の楽しみを叶えるにはまずは自立して歩けること これがはじめの一歩 そんな歩きに応えてくれるポールウォーキングの体験会です  鎌倉市民65才以上の方! 体験して続けたいと思われたら、市内サークルをご紹介します  お申し込みは包括支援センター聖テレジア(写真下部)

新井 恵さんの投稿
今年もスマイルチームで救急法講習会開催しました 毎年8月4日前後の日程で行っています #松田直樹を忘れない #あっぱくん #スマイルチーム #日本赤十字社

田村 芙美子さんの投稿
秋ですね。 今日はスマホ不携帯で渋谷教室。来週はお盆休みなので初7秒スクワットを宿題に。ポールではなくボールでも遊びました。 横浜新道が異常に渋滞🚗🚗🚗⚡したのは何かあったのでしょうか。こんな時地震が来たら怖い!と思いました。まだまだ暑いですが大巧寺は秋の気配です。

校條 諭さんの投稿
何十年ぶりかのボウリング 8月の気まポ(気ままにポール歩き)は、外歩きを避けてボウリング“体験会”としました。 みんな、何十年か前にはやったことがあるけど・・・という状態で、投げ始めは9人のうち5人がガーターを出しましたが、だんだん慣れてきて、ストライクもポツポツ出るようになり、おおいに盛り上がりました。 体の動かし方や筋肉の使い方がいつもと違うので、もしかしたら少々筋肉痛が出るかも・・・。 会場はJR中央線荻窪駅のすぐそばの「荻窪ボウル」。土日も含め、午前は1ゲーム550円と手頃です。貸靴代400円。 2ゲーム楽しんで、近所の台湾料理店でカンパイしました。 (メンバー撮影の写真もお借りしました。)

台灣健走杖運動推廣協會さんの投稿
夏夜微風,揪團健走快閃活動✌️ 來到動物園,來給動物看🤣🤣 聽導覽介紹非洲象(長鼻象),大人小孩都覺得新奇有趣,好熱鬧! 祝動物園110週年快樂😁

中村 理さんの投稿
佐久ポールウォーキング協会より 台風一過/お盆休暇も最終日〜 〜PW散策/里山/虚空蔵山巡り〜‼️ 木々の木陰を選んでのいつものショートコース/3.5kmを48名の参加者無事完歩〜❗️ 佐久市広報10月号用取材でカメラマンも入りの緊張?した散策でした〜ww

とちぎポールウォーキング会さんと、Masami Yamagataさんの投稿の投稿
・ヤクルト御本丸体験定例会
・ポールウォーキングコーチの皆様・定例会参加の皆様 暑中お見舞い申し上げます。まだまだ暑い日が続きますがヤクルト御本丸カフェ&ギャラリーにてポールウォーキング体験定例会開催します。
室内ストレッチで体をほぐし終了後ヤクルトアイスで語らいましょう。お友達もお誘いください。

田村 芙美子さんの投稿
午前中は材木座の長勝寺へ 午後から腰越なごやかセンターでポールウォーキング貯筋クラス 暑さに負けない元気なシニアの皆さんと7秒スクワットのあとはポールゲームでリラックス🎶 大きな声で良く笑いました。これが元気パワーのもとかも。

杉浦 伸郎さんの投稿
東京都北区での ポールdeウォークセッション。 毎回、シニアの皆さんの「フレイルなんて言わせないわよ!」的意気込みを感じ手応えバッチリです。 隙間時間にかつての勤務地サンシャインシティ界隈を散策。随分様子が変わりましたね。相変わらず多くの若者で賑わっていて一安心しました。

長谷川 弘道さんの投稿
昨日、無事3回連続講座「いつでも、どこでも、誰でも、すぐにできる運動指導法」を終えることができました。 ご参加いただきました皆さん、ありがとうございました。 6月から毎月1回開催してまいりました。 これまでは、保健センターや生涯学習センター、子育て支援センターなどの自治体さんや、学校関係団体、福祉関連団体、一般企業などからお声をかけていただいて講師を務めてまいりましたが、今回は私としましては、初の主催講座でした。 募集から集金、当日の運営も全て自力ですよね。 今回はたとえ1人でも参加いただければ開催する思いで準備をしてきました。 今回は4名の皆さんのご参加いただきました。これまで関わらせていただきました自治体関係の皆さんや、トレーナー仲間や、その方からのご紹介いただいたりしてご参加いただいた皆さんでした。 自分1人の力ではできないことも、仲間の力があれば切り開けていけることを実感いたしました。 大事なことはこれを続けていくことです。 色々と改善するところもあります。 参加者の皆さんからのご意見も踏まえまして、後期に向けてまた企画してまいります。 開催の折には、ぜひみなさまご参加ください。 #運動指導法講座 #いつでもどこでも誰でもすぐにできる #保健師 #管理栄養士 #高齢者運動指導

田村 芙美子さんの投稿
~PW体験会その①~ 包括支援センターテレジア1、2 主催でポールウォーキング体験会の一回目を開催。早朝 滝のような雨音にあらあら今日は中止にするかな、とまたウトウト。次に目が覚めたときはなんとすっかり雨は上がり青空に。横の繋がりの濃い4サークル+北鎌倉紹介で お手伝いに各メンバーさんも駆けつけてくれ、さらに包括から4人もいらして会場設置やチラシも全て用意してくださいました。最初は澄まし顔だったみなさんは、顎の筋肉使いましょ!と声をだしてカウントを始めると、ぐっと活気が出て来ました。ポールの長さ合わせからストレッチ・筋トレ、インターバルウォーキングまで1時間半は楽しくあっという間。病気予防の歩き方 中之条研究の話まで。 健康の先にある楽しみ・幸せ💕のために運動を習慣化しましょう!に皆さん合点! 次回は9/5です。市民、初心者限定。

田村 芙美子さんの投稿
一昨日のPWの体験会の記事を見つけました! 前を見る!が浸透していなかった写真にショック😱 最初から完璧は求めません!楽しさが一番ですね。

 

来月以降の開催
台灣健走杖運動推廣協會さんの投稿
2024健走杖輕旅行 【2024健走杖健康活力輕旅行】即將開始🔥 第一站 ✅9/7(六) 13:30-16:00 地點:烏來內洞森林遊樂區🌲 站長:林柏樺站長 打卡活動:https://reurl.cc/ReOGRn 歡迎各地喜愛健走的好朋友們, 共同來參與活動~ 持續追蹤粉專跟line@公告, 今年結合健康科技的joiisport app, 加入📱打卡記錄、蒐集獎章🎖️等增加活動趣味性, 凡走過必留下痕跡! 📍「2024健走杖.健康活力輕旅行」報名表:https://reurl.cc/zDr9XQ #2024健走杖健康活力輕旅行 _________________________________ 🔥【2024健走杖健康活力輕旅行】預告🔥 目前每站健走時間 ✅9/7(六) 13:30-16:00 地點:烏來內洞 森林遊樂區。 站長:林柏樺站長。 ✅9/14(六) 1 or 2 D 地點:宜蘭頭城農場 。 站長:余秋月。 ✅10/13(日) 上午 地點:嘉義公園+樹木園健走,下午可以交流分享。 站長:龔鈴智。 ✅10/18(五) 地點:新北林口民視健走+參訪。 站長:林香蘭。 ✅10/27(日) 上午 地點:未定。 站長:陳秀玲。 ✅11/19(二) 上午 地點:新竹18尖山+下午 17公里海岸 。 站長:郭玟伶。 ✅11/29(五) 下午 地點:南化玉山樂活輕旅行。 住宿:台南市(晚間有有頌缽療癒) 11/30(六) 上午 府城月老桃花滿滿輕旅行。 站長:李端木(宗翰)。 ✅12/7(六) 上午 地點:桃園平鎮站輕旅行 站長:蘇雍賀。 ✅12/8(日) 上午 地點:台中潭雅神綠園道 站長:許秀貞站長。 ✅12/7(六) 上午 地點:彰化天空步道/八卦山/扇形車庫健走杖輕旅行 站長:鄭美金站長。 陸續更新中~ ✨持續追蹤粉專跟line@公告✨

みんなの元気学校さんの投稿
津田公民館 健康づくり講座 初めてでも楽しめるポールウォーキング|東京都小平市公式ホームページ

中村 理さんの投稿
佐久ポールウォーキング協会より 〜佐久ぴんころ ウォーク〜 コロナでの中止後満を時して開催〜 9/21(土)9kmと5kmのコースを用意し、協会コーチ等もお迎えしていますので〜❗️ 「プルーン生食食べ放題」 「ジャガイモのふるまい」 「甘酒ふるまい」 「無料健康相談」〜等 内容濃い佐久の 〜食べて歩いて健康長寿〜を楽しみに〜‼️

遠藤 恵子さんの投稿
資格取得セミナー

堀 和夫さんの投稿
2024 第3回中山道 馬籠宿夜明け前ウォーキングを11月10日に開催します。 今年も参加賞はTシャツだ。どっど〜ん❗️と太っ腹だね。

 

Ⅱ.関連学術ニュース
8月も、積極的に情報を発信されている岐阜大学下畑先生からの最新医学情報です。

1.認知症
1-1)「エビデンスに基づいた認知症予防2024」を学ぼう!広めよう!
**岐阜大学医学部下畑教授の2024年8月6日のFB投稿です**
Lancet認知症委員会は定期的にエビデンスに基づいた認知症予防についての情報を報告していますが,前回の2020年の報告に最近の4年間の系統的レビューやメタ解析論文を追加して改訂がなされました(認知症に対する聴力障害とうつ病のリスクに関するメタ解析が完了されています).以下,2024年報告の要点です.
◆ 2つの新しい修正可能なリスク因子が追加され,リスク因子は14個になった.
2020年版の12のリスク因子(教育の不足,頭部外傷,身体活動の欠如,喫煙,過度の飲酒,高血圧,肥満,糖尿病,聴覚喪失,うつ病,社会的接触の欠如,大気汚染)に,視力低下と高LDLコレステロール血症が追加されました.ちなみに図は年代別のリスク因子と,修正によるリスク減少の程度を示しています.中年期では難聴と高LDLコレステロール血症がともに7%と最大,高齢期では社会的接触の欠如が5%と最大です.
◆ 14のリスク因子の修正は認知症患者のほぼ半数を予防または遅延させる可能性がある.
このため積極的な認知症予防を行う必要があります.これには国家的・国際的なレベルでの政策変更と個人の介入が含まれます.認知症リスクを減少させる行動は早期から開始し,生涯を通じて続けるべきと考えられます.各人が抱えるリスク因子は単一とは限らないため,予防は複数の因子に対して行う必要があります.
◆ リスク因子の修正はApoE遺伝子型に関係なく有効である.
アルツハイマー病の遺伝的要因としてApoE遺伝子e4アレルが知られていますが,その遺伝子型に関係なく,上述の14のリスク因子の修正は認知症予防に有用と考えられます.
◆ 生涯を通じて認知症リスクを減少させるための具体的な14の行動.
①教育の不足:すべての人に質の高い教育を提供し,認知機能を刺激する活動を奨励する.
②難聴:聴力障害のある人に補聴器の利用を可能にし,また聴力障害を減少させるために有害な騒音曝露を減少させる(例:ヘッドフォン難聴).
③うつ病:うつ病を効果的に治療する.
④頭部外傷:スポーツや自転車でヘルメットや頭部保護具の着用を奨励する.
⑤身体活動の欠如:スポーツや運動を推奨する.
⑥喫煙:教育,価格管理,公共の場での喫煙防止を通じて喫煙を減少させる.
⑦高血圧:高血圧を予防または軽減し,40歳から収縮期血圧を130 mmHg以下に維持する.
⑧高LDLコレステロール血症:中年期から検診を行い治療する.
⑨⑩肥満,糖尿病:健康的な体重を維持し,肥満があれば早期に治療する(糖尿病の予防にも役立つ).
⑪過度の飲酒:価格管理と過剰消費のリスクの理解を通してアルコール消費を減少させる.
⑫社会的接触の欠如:高齢者に優しいサポート環境と住居の提供.他者との共同生活を促進することにより社会的孤立を減少させる.
⑬視力低下:すべての人に視力低下のスクリーニングと治療を利用可能にする.
⑭大気汚染:大気汚染への曝露を減少させる.
◆難聴については,2020年版より大きく改訂されているので要点をまとめます.
・世界的に20%の人に難聴を認め,職業や騒音,未治療の中耳炎等が原因である.うち62%は50歳以上であり,しばしば難聴は治療されていない.
・難聴を認める場合,認めない人に比べて認知症のリスクが約37%高い.
・聴力が10 dB悪化するごとに認知症リスクが16%増加する.
・メカニズムとしては,社会的孤立,抑うつ,聴覚からの刺激の減少,聴覚のために多くの認知資源を必要とすることが挙げられている.
・米国の多施設で行われたACHIEVE研究では,特に認知症リスクが高い集団(高齢,喫煙率,教育水準,一人暮らし,糖尿病,高血圧等)にて,補聴器の使用が認知機能の低下を大幅に減少させることが示された.
・補聴器を使用する人は認知機能の低下リスクが約19%低い(ハザード比0.81)ことがメタ解析で示されている.
※この問題に関して「日本医学会連合TEAM事業セミナー 多領域の専門家が挑む加齢性難聴とその社会的課題 ― Healthy aging と認知症対策における聴こえの役割 ―」(主催:日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会,共催:日本神経学会,日本言語聴覚士協会)を9月2日に東京で開催します(マスメデア向けです).私も「加齢性難聴と認知症」というテーマで講演します.みんなで啓発活動を行ってまいります.プレスリリースはこちらです.
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000025.000057512.html
まとめ:認知症はアルツハイマー病だけが原因ではありません.上述のリスク因子の修正はアルツハイマー病以外の認知症にも有効と考えられます.高額な予防薬も選択肢の1つですが,その効果の程度や安全性,費用対効果を考えると,まずは個人でも国家レベルでも14のリスク因子に対する取り組みを始めることが大切だと思います.あと今回は間に合いませんでしたが,睡眠障害とコロナ感染も将来追加されると思います.
Livingston G, et al. Dementia prevention, intervention, and care: 2024 report of the Lancet standing Commission. Lancet. 2024 Jul 30:S0140-6736(24)01296-0.
https://www.thelancet.com/…/dementia-prevention…

1-2)感染症が認知症を引き起こすメカニズム
**岐阜大学医学部下畑教授の2024年8月18日のFB投稿です**
感染症がアルツハイマー病などの認知症の発症と関連することが注目されていますが,そのメカニズムは不明です.最新号のNature Aging誌に以下を示した研究が報告されています.
◆感染症ごとに特定の部位に脳体積の減少が生じること
◆その脳体積の減少は認知症リスクと関連すること
◆感染症ごとの免疫プロテオームの変化,遺伝的素因が認知症に関連すること
対象は主に英国UK Biobank(49万5896人)とフィンランドの複数のコホート(FPS,HeSSup,STW)(27万3132人)のデータが使用されました.脳画像データはボルチモア長寿研究(BLSA)から得られたもので,特定の感染症が脳体積に与える影響を平均5.3年追跡し,平均3.4回のMRIを施行しました.対象となる感染症は6種類で,インフルエンザ,ヘルペスウイルス,その他のウイルス感染症,上気道感染症(URTI),下気道感染症(LRTI),皮膚・皮下感染症です.COVID-19は含まれていません.
【脳の体積と認知機能への影響】
特に側頭葉の灰白質および白質領域において,脳体積の減少を加速させることが確認されました(図1).
①インフルエンザ:側頭葉および後頭葉の灰白質の体積減少
②ヘルペスウイルス(HHV):側頭葉の白質の体積の減少
③種々のウイルス感染症:側頭葉の灰白質の体積の減少
④上気道感染症(URTI):側頭葉全体の体積減少
⑤下気道感染症(LRTI):側頭葉の白質と後頭葉の灰白質および白質の体積減少
⑥皮膚・皮下感染症:側頭葉および後頭葉の灰白質の体積減少
またいずれの感染症も,認知症リスクを増加させました(図2).とくに血管性認知症との関連が強く,ついで認知症(全原因),アルツハイマー病のリスクが増加しました.これらの感染症が脳の血管系に対して影響を及ぼし,血管性病変(BBB破綻)を通じて認知症リスクを高める可能性を示唆しています.さらに全身性の感染症では認知症リスクが高いことが示唆されました.
【プロテオミクス分析による関連するタンパク質と遺伝学的素因】
プロテオミクス分析ではそれぞれの感染症に特徴的なプロテオームの変化が認められました.
①インフルエンザ:MME(ネプリライシン),DEFB4A,RAG1など
MMEはアミロイドβの分解酵素で,その発現低下はアミロイドβの蓄積を引き起こす.DEFB4AやRAG1は免疫応答に関連し,その活性化は神経炎症を促進する.
②ヘルペスウイルス(HHVs): TREM2,GFAP,NfLなど
TREM2はミクログリアにおける重要な受容体である.TREM2増加は過剰なミクログリア活性化を引き起こし,神経炎症を促進する.GFAPやNfLは神経損傷の指標である.
③下気道感染症(LRTIs):MASP1,ITGB6,PACSIN2など
MASP1は補体系の活性化に関与し,炎症反応を強化する.ITGB6は細胞接着に関連するタンパク質で,炎症応答の制御に関与する.PACSIN2は神経細胞におけるシグナル伝達に関与する.
④上気道感染症(URTIs):IFIT3,FOXP3など
IFIT3はウイルス感染に応答する抗ウイルスタンパク質で,強力な免疫応答が引き起こされる.FOXP3は免疫抑制に関与するタンパク質.
⑤複数の感染症に共通するタンパク質:260種類のタンパク質が少なくとも1つの感染症と関連し,うちの35種類が脳体積の変化と関連した.PIK3CG,PACSIN2,PRKCBなどが含まれており,これらは認知機能低下やアルツハイマー病の血漿バイオマーカー(Aβ42/40比,GFAP,NfL,pTau-181)とも関連した.
またITGB6とTLR5の遺伝子変異は,それぞれ側頭灰白質および全脳体積の減少と関連していました.
【病態機序モデル】
感染後に血漿中で発現が増加した病原性タンパク質(pathogenic proteins)と,減少した保護性タンパク質(protective proteins)が特定されました(図3).これらのタンパク質の変化が,免疫プロテオームの変化,血液脳関門の破壊,遺伝的要因,アルツハイマー病関連タンパクへの影響を介して,脳の萎縮や認知機能の低下に寄与する可能性が示されました.
この研究はおそらくUKバイオバンク研究で,COVID-19が脳萎縮をもたらし認知症を招くことがきっかけとなり,その他の感染症ではどうなるかを検討したものと思います.そして世界中の最善と考えられるデータ・サンプルを駆使して明確な結論を導いた点に研究の凄みを感じました.
Duggan MR, et al. Proteomics identifies potential immunological drivers of postinfection brain atrophy and cognitive decline. Nat Aging. 2024 Aug 14.(doi.org/10.1038/s43587-024-00682-4)

1-3)アミロイドβが認知症を来すメカニズム ―新たなアルツハイマー病の治療標的IDO1―
**岐阜大学医学部下畑教授の2024年8月30日のFB投稿です**
アルツハイマー病(AD)において脳内に蓄積するアミロイドβがなぜ最終的に認知症を来すのかいくつかの仮説はあるもののよく分かっていませんでした.非常に興味深い研究がスタンフォード大学からScience誌に報告されました.この研究では,記憶を司る海馬におけるグルコース代謝に注目しました.具体的には,インドールアミン-2,3-ジオキシゲナーゼ1(IDO1)という酵素に着目しています.IDO1はトリプトファン(TRP)をキヌレニン(KYN)に変換する際の律速酵素です.このKYNはアリールハイドロカーボン受容体(AhR)との相互作用を通じて,炎症や腫瘍において免疫抑制を引き起こす代謝物だそうですが,同時に「アストロサイトにおける糖代謝を抑制する作用」があります.アストロサイトは通常,解糖系により,ニューロンにエネルギーを供給するための乳酸を生成し,ニューロンのシナプス活動を支えていますが,KYNがこれを抑制してしまうことを示しています.
研究ではまずマウスおよびヒトiPSC由来のアストロサイトを用いて,アミロイドβやタウオリゴマーがアストロサイトのIDO1を活性化し,KYNの生成を増加させることで解糖系と乳酸生成を抑制し,ニューロンへのエネルギー供給が妨げられることが示しています.
★アミロイドβ・タウ → アストロサイトのIDO1↑ → KYN↑ → 解糖系(乳酸)↓ → ニューロンへのエネルギー供給↓
つぎにこの系においてIDO1阻害剤がこれらのプロセスを回復することを示しています.さらにマウスモデルを用いて,IDO1を阻害することで,海馬のグルコース代謝が改善され,ニューロンへのエネルギー供給が増加し,その結果,長期増強(LTP)と呼ばれるシナプス可塑性が回復することを示しています.LTPは学習や記憶の基盤となる神経回路の強化を意味します.
図左は,健常な状態において,アストロサイトが解糖系を通じて乳酸を生成し,それをニューロンに供給することで,ニューロンのミトコンドリア呼吸とシナプス伝達がうまくいく様子を示しています.図中央はADで,アミロイドβやタウオリゴマーがアストロサイトのIDO1を活性化し,KYNの生成が増加し,AhRを介して解糖系を抑制し,乳酸が減少することを示しています.図右では,ADでもIDO1阻害剤によってKYNの生成が抑えられ,アストロサイトの解糖系が正常化し,ニューロンへの乳酸供給が回復する様子を示しています.
そうなると気になるのは臨床応用できるIDO1阻害剤があるかですが,現在がん治療薬として開発されている「PF06840003」という薬剤があるそうです.この薬剤がAD治療にrepositioningできる可能性があります.またAD以外の神経変性疾患でも栄養療法の有用性が報告されていますが,その背景にあるエネルギー障害に対してIDO1をターゲットとした治療戦略が有効であるかもしれません.今後,研究が拡大する可能性を感じました.
Minhas PS, et al. Restoring hippocampal glucose metabolism rescues cognition across Alzheimer’s disease pathologies. Science. 2024 Aug 23;385(6711):eabm6131.(doi.org/10.1126/science.abm6131)

2.新型コロナウイルス感染症COVID-19
2-1)新型コロナウイルス感染症COVID-19:最新エビデンスの紹介(8月8日)
**岐阜大学医学部下畑教授の2024年8月8日のFB投稿です**
今回のキーワードは,3年間の追跡調査で死亡率と後遺症発症リスクは低下したが,入院した重症患者では依然高値である,感染後1年間のPASC発生率は経過的に減少しているが,オミクロン期のワクチン接種者においても依然として高い,long COVIDを発症しやすく,回復しにくい9つの要因,long COVIDでは持続感染により,腸管や脊髄におけるT細胞の活性化が生じている,long COVIDに伴う認知機能低下と関連する要因は,急性期重症,6ヵ月時の認知機能障害,高血圧である,COVID-19は若年成人の難聴および突発性感音難聴のリスク因子である,です.
long COVIDに関する長期的な疫学データが複数報告されました.オミクロン期のワクチン接種者においても依然として高く,またよりlong COVIDを呈しやすい9つの要因も総説にまとめられています(3つ目の項目です).また高齢者のCOVID-19入院患者における認知症の発生率は2.5年後の時点で20%弱(!)とありますので,感染予防・重症化予防を心がける必要があります.
FBで読みにくい方はブログ(https://tinyurl.com/2cptxkc2)をご覧ください.
◆3年間の追跡調査で死亡率と後遺症発症リスクは低下したが,入院した重症患者では依然高値である.
PASC(=long COVID)の感染後2年を超える追跡データは限られている.米国から退役軍人省の健康記録を用いて,感染者13万5161人と対照520万6835人を3年間追跡したコホート研究である(オリジナルの武漢株が優位で,抗ウイルス薬やワクチンが開発されていなかった期間の感染者が登録された).非入院感染者では,死亡リスクの増加は感染1年後以降認めなくなった.PASC発症リスクも3年間で減少したが,それでも3年目には1,000人あたり9.6障害調整生存年(DALY*)に寄与した(*DALYは特定の疾病によって失われた健康な人生の年数を表す).DALYのうち,神経学的後遺症が非常に高い割合を占めていた(図1).
一方,入院した患者では死亡リスクは低下したものの,3年目においても有意に高いままであった(罹患率比:1.29).PASC発症リスクは3年間で低下したものの依然高く,1,000人当たり90.0 DALYであった.以上より感染後3年間の追跡調査において,死亡率およびPASC発症リスクは低下したものの,入院を要した重症患者では依然有意なままであった.おそらく体内の様々な部位でウイルスの複製が生じ,その結果,炎症と免疫反応が繰り返し活性化され,PASCの原因となる可能性があると推測している.
Cai M, et al. Three-year outcomes of post-acute sequelae of COVID-19. Nat Med. 2024 Jun;30(6):1564-1573.(doi.org/10.1038/s41591-024-02987-8)
◆感染後1年間のPASC発生率は経過的に減少しているが,オミクロン期のワクチン接種者においても依然として高い.
PASCの発生率がパンデミックの過程で変化したかを検討した研究が米国から報告された.退役軍人省の健康記録を用いて,感染者44万1583人と非感染者474万8504人において,プレデルタ期,デルタ期,オミクロン期における感染1年後のPASC累積発生率を推定した.結果としてワクチン未接種の感染者の累積発生率は,プレデルタ期で100人当たり10.42イベント,デルタ期で9.51イベント,オミクロン期で7.76イベントであった.ワクチン接種者の累積発生率は,デルタ期で100人当たり5.34イベント,オミクロン期で3.50イベントであった.ワクチン接種者はワクチン未接種者よりも1年後のPASCの累積発生率が低かった(デルタ期の差,-4.18イベント,オミクロン期の差,-4.26イベント)(図2). PASC発生数は,プレデルタ期とデルタ期を合わせたものより,オミクロン期の方が5.23減少していたが,その28.11%は時期に関連し(ウイルスの変化やその他の時間的影響)に起因し,71.89%はワクチンに起因していた.以上より,感染後1年間のPASCの累積発生率は,パンデミックの経過とともに減少したが,オミクロン期のワクチン接種者においても依然として高いことが分かった.
Xie Y, et al. Postacute Sequelae of SARS-CoV-2 Infection in the Pre-Delta, Delta, and Omicron Eras. N Engl J Med. 2024 Jul 17.(doi.org/10.1056/NEJMoa2403211)
◆long COVIDを発症しやすく,回復しにくい9つの要因.
long COVIDの臨床に関する総説がLancet誌に報告された.疫学に関して興味深い2つのFigureを紹介したい.Figure 1は英国における自己申告によるlong COVIDの推定有病率を示したもので,全体の有病率は1.8%.最も罹患が多い年齢層は35〜65歳.女性に多く,貧困の場合,より有病率が高くなる(5段階で1が最も貧困).「非労働力人口」と自己分類した人における有病率は5.7%で,就業能力に大きな影響を与えていることが分かる(図3).症状の持続期間については少なくとも1年間が71%,少なくとも2年間が51%,少なくとも3年間が31%であった.
Figure 2はlong COVIDのリスク因子をまとめたもので,発症しやすく,回復しにくい要因としては以下の9項目が記載されている.
①既往症あり,②女性,③貧困,④初期に多くの症状を呈した,⑤COVID-19感染時に重症(入院した),⑥ワクチン未接種または接種が不十分,⑦初期の感染時に休息がとれなかった,⑧初期の感染時に抗ウイルス薬が未投与,⑨再感染
Greenhalgh T, et al. Long COVID: a clinical update. Lancet. 2024 Jul 31:S0140-6736(24)01136-X.(doi.org/10.1016/S0140-6736(24)01136-X)
◆long COVIDでは持続感染により,腸管や脊髄におけるT細胞の活性化が生じている.
米国UCSFより,急性感染の27日後から910日後までの24人の患者において,活性化T細胞を選択的に標識するトレーサー [18F]F-AraGを用いたPETを施行した研究が報告された.結果として,これらの患者では症状の持続の有無にかかわらず,脳幹,脊髄,骨髄,鼻咽頭および肺門リンパ組織,心肺組織,腸壁などの多くの部位で,対照群と比較してトレーサーの取り込みが高かった.脊髄と腸壁におけるT細胞の活性化は,long COVID症状と関連していた(図4).さらに肺組織におけるトレーサー取り込みは,特に呼吸器症状が持続する患者で高かった.これらの組織におけるT細胞活性化の亢進は,long COVID症状を認めない参加者にも観察された.5人のlong Covid患者の大腸組織を入手し,SARS-CoV-2 RNAのin situハイブリダイゼーションと免疫組織化学的検索を行った.5人全員の直腸S状結腸固有層組織で細胞内にSARS-CoV-2一本鎖スパイク蛋白コードRNAが同定され,3人では初回感染から676日後まで二本鎖スパイク蛋白コードRNAが同定された.以上よりウイルスの持続感染が長期にわたる免疫学的障害と関連している可能性が示唆された.
Peluso MJ, et al. Tissue-based T cell activation and viral RNA persist for up to 2 years after SARS-CoV-2 infection. Sci Transl Med. 2024 Jul 3;16(754):eadk3295.(doi.org/10.1126/scitranslmed.adk3295)
◆long COVIDに伴う認知機能低下と関連する要因は,急性期重症,6ヵ月時の認知機能障害,高血圧である.
中国武漢でSARS-CoV-2オリジナル株に感染して生存した60歳以上の1245人と,感染していない配偶者358人を対象に,2年半にわたる認知機能の変化を調査した.高齢のCOVID-19生存者における認知機能障害の全発生率は,感染・入院後2.5年の時点で19.1%であった(Telephone Interview for Cognitive Status-40を用いて評価)(図5).認知機能の低下は,主に重症患者の感染後1年間で出現し,その後,低下率は軽減した.長期的な認知機能低下と関連する要因は,重症COVID-19,6ヵ月時の認知機能障害,高血圧であった.以上より,COVID-19サバイバーに対する感染後の認知機能のケアの重要性が示唆された.
Liu YH, et al. Tracking cognitive trajectories in older survivors of COVID-19 up to 2.5 years post-infection. Nat Aging (2024).(doi.org/10.1038/s43587-024-00667-3)
◆COVID-19は若年成人の難聴および突発性感音難聴のリスク因子である.
韓国から若年成人におけるCOVID-19と難聴/突発性感音難聴との関連を検討した全国住民ベースのコホート研究が報告された.合計671万6879人の若年成人が対象となった.4026万757人・月の追跡期間中に,3万8269例の難聴と5908例の突発性感音難聴を認めた.難聴のリスク(発生率:11.9対3.4/10,000人・月;調整サブ分布ハザード比(aSHR),3.44;P<0.0001)および突発性感音難聴のリスク(発生率:1.8対0.5/10,000PM;aSHR,3.52;P<0.0001)は,COVID-19群でより高かった.以上より,若年成人におけるCOVID-19後の難聴および突発性感音難聴のリスク上昇が示唆された.
Kim HJ, et al. Incidence of hearing loss following COVID-19 among young adults in South Korea: a nationwide cohort study. eClin Med. July 29, 2024(doi.org/10.1016/j.eclinm.2024.102759)

関連情報
・前回の「新型コロナウイルス感染症COVID-19:最新エビデンスの紹介(6月23日)」は2024年7月のニュースに掲載しています。

3.パーキンソン病
3-1)パーキンソン病患者の認知症移行率は既報よりだいぶ低い
**岐阜大学医学部下畑教授の2024年8月13日のFB投稿です**
パーキンソン病(PD)患者では最大80%で認知症が発症すると言われてきました.よく引用されるノルウェーの報告では8年間で78%,オーストラリアの報告では20年間で83%の発症率でした.しかしこれらは20年以上前に発表されたもので,かつ症例数も224人および136人と少ない報告でした.今回,Neurology誌に米国からPD患者の認知症リスクを検討した研究が報告されました.大規模前向き観察研究のPPMI(多施設共同国際研究)と,ペンシルバニア大学(Penn)のPD研究コホートのデータを用いています.
結果として,PPMIコホートでは,417人(平均年齢61.6歳,男性65%)が追跡され,罹病期間10年目の認知症推定確率は9%(治験担当医師の診断),15%(MoCA),12%(MDS-UPDRS Part I認知機能)と既報より低い確率でした.Pennコホートでは,389人(平均年齢69.3歳,男性67%)が追跡され,最終的に184人(コホートの47%)が認知症と診断されました.
図1は2つのコホートでPDの診断を受けてから認知症と診断されるまでの年数を示しています. PPMIコホートの認知症発症の累積確率は,観察期間全体を通じて50%を超えませんでした(よって認知症の診断の中央値不明).一方,Pennコホートでは,認知症の診断の中央値は15.2年で,認知症の推定確率は罹病期間10年で27%,15年で50%,20年で74%でした.
図2A-Cは認知症に影響を与える因子の検討です.56歳未満でPDと診断された者の中央値は19.4年,56〜70歳では14.6年,70歳以上では9.2年でした(p < 0.001).性別では女性で19.4年,男性で13.3年でした(p = 0.004).教育レベルでは,13年未満で11.6年,13年以上で15.2年でした(p = 0.006).よってPDの認知症発症リスクに影響を与える要因として,年齢が高いこと,男性であること,教育レベルが低いことが示されました.
以上より,PDにおける認知症の発生頻度は,既報よりも低く,かつ経過も遅いことが示唆されます.またPD患者における認知症予防に個別化された戦略が必要である可能性が示されました.
Gallagher J, et al. Long-Term Dementia Risk in Parkinson Disease. Neurology. 2024 Sep 10;103(5):e209699. (doi.org/10.1212/WNL.0000000000209699)

3-2)機能性運動障害に合併する疾患―頭痛とパーキンソン病に関する2つの論文―
**岐阜大学医学部下畑教授の2024年8月6日のFB投稿です**
近年,欧米において機能性神経障害(functional neurological disorder; FND)の疾患概念が確立し,適切な診断および治療について盛んに検討が行われています.本邦でも,徐々にその理解が進んでいるものの十分とは言えず,その啓発は今後の重要な課題と言えます.FNDのひとつ,機能性運動異常症(functional movement disorder; FMD)に関して興味深い論文が2報ありましたのでご紹介します.
【その1.FMDでは頭痛を高率に合併し,合併のタイミングで特徴が異なる可能性がある】
FNDでは主症状以外に,疲労>記憶障害>頭痛>排尿障害といった関連症状を合併することが知られています(Eur J Neurol. 2021;28:3591-3602).FMDでも頭痛が頻繁に見られますが,その特徴を評価した研究はほとんどありません.スペインからFMDにおける頭痛の発生率,特徴,合併のタイミングを調べた観察コホート研究が報告されました.
結果はFMD患者51名のうち,40人(78%)が反復性の頭痛を呈していました.頭痛の強さは中等度から重度が多く(83%),約2/3は9日/月以上の頭痛を認めました.頭痛による障害の程度は高く,HIT-6中央値(四分位範囲)は62(49–66)でした.頭痛に伴う症状としては悪心・嘔吐,光過敏・音過敏,運動麻痺・不安定性,視覚症状,言語障害を認めました(図1).ICHD-3による診断は片頭痛または片頭痛疑い(probable migraine)が23人(58%),緊張型頭痛が11人(27%),新規発症持続性連日性頭痛(NDPH)が2人(5%),一次性運動時頭痛が1人(3%),分類不能が3人(7%)でした.頭痛の合併タイミングは,FMDの発症前が28人(70%),FMDの発症後が5人(12%),同時が6人(15%)でした.最後の群では,6人中4人(67%)が発症から連日の頭痛を訴え,2人はNDPHの基準を満たしていました.
以上より,頭痛はFMDにしばしば合併すること,また片頭痛や緊張型頭痛に加えて,NDPHが認められる可能性が示唆されました.興味深いのは,頭痛の特徴がFMDの発症前後,もしくは同時に始まるかで異なる可能性がある点です.同時発症はより重要なのかもしれません.いずれにせよFMDでは頭痛に注意し,認める場合は積極的に治療を行うこと,ならびに多数例での前向き研究を行うことが必要と考えられます.
Riva E, Kurtis MM, Valls A, Franch O, Pareés I. Beyond movement: Headache in patients with functional movement disorders. Headache. 2024 Aug 1.(doi.org/10.1111/head.14804)
【その2.FMDをパーキンソン病の新たな前駆症状と考えて検討すべきである】
FMDは他の神経変性疾患にも合併することがあり,特にパーキンソン病(PD)は有名です(アルツハイマー病やPSPでは稀です).最近のコホート研究や症例集積研究から,FMDがPDの診断に先行して認められることが注目されています.つまりFMDがPDの前駆症状である可能性があります.この現象をどう考えるべきか,英国のKailash Bhatia先生らが検討した総説がMov Disord誌に発表されています.
まずFMDがPDに先行する機序について3つの可能性を提示しています.
1.初期のPDをFMDと誤診している可能性
2.不安,うつ病,疲労,痛みなどのPDの非運動症状が,FNDにおいても共通のリスク因子として作用する可能性
3.早期の神経変性(特にドーパミン神経伝達の欠乏)がFMDをきたす可能性
とくに著者は3の可能性を考えておられるようです.図2はFMDとPDが共通する脳のネットワークや機能障害に関連している可能性を議論したものです.難しいのですが,具体的には運動生成の変化,運動の自動性の喪失,フィードフォワード運動信号と最終的な運動出力の感覚信号との間の不一致として理解されるエージェンシーの喪失,感情処理の障害が提示されています.
臨床的に必要なのは,FMDとPDの誤診を避けるために,①それぞれの陽性徴候を積極的にチェックすること(とくにFMDの陽性徴候をマスターすること),②レム睡眠行動障害,自律神経障害,嗅覚低下など,PDのその他の非運動症状をチェックすること,③発症早期では感度が低いDATスキャンに診断を依存することをやめること(DAT陰性=FMDではなくPDでもあり得るということです),が大切になります.
Matar E, et al. Functional Movement Disorder as a Prodromal Symptom of Parkinson’s Disease-Clinical and Pathophysiological Insights. Mov Disord. 2024 Aug 9.(doi.org/10.1002/mds.29958)

関連情報
・「パーキンソン病の硬膜外脊髄電気刺激療法(改訂版)」については、2023年11月のニュースで取り上げています。

4.ALSに対するブレイン・コンピュータ・インターフェース(BCI)技術の発展・多様化と大きな意義と限界
**岐阜大学医学部下畑教授の2024年8月20日のFB投稿です**
最新のNew Eng J Med誌にALSにおけるBCI技術に関する印象的な論文が3つ掲載されています.この治療は今後きわめて重要で,本邦でも脳外科,工学との連携を進め,極力早期に実現すべきと強く思いました.
【論文1.患者と家族へのインタビュー】
米国のALS患者さんとその家族がBCI技術を利用してコミュニケーションを回復する様子をインタビューとして聞くことができます.会話困難になった患者さんがBCI技術により取り戻した声を聞くことができます(むしろリスニングしやすいです).https://www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJMp2407613)
ご本人にとって言葉を失い,家族,とくに娘とのつながりを失うことが最も辛いことでした.孤立がストレスを増大させ,多くの問題を悪化させました.言語の喪失がALSの最も残酷な側面のひとつであると述べています.しかし再び自分の声でコミュニケーションを取れるようになり,日常生活が大きく改善しました.「自分らしさを取り戻し,家族や友人との深い会話ができるようになった.再び娘の父親になれたことに感謝している」と述べておられます.
Restoring Lost Speech: ITT Episode 36. N Engl J Med. 2024 Aug 15;391(7):e13.(doi.org/10.1056/NEJMp2407613)
【論文2.短期間に極めて高い精度で脳波から音声出力するBCI技術】
上記の患者さんが使用したBCI技術「音声ニューロプロステーシス(prosthesis:人工器官)」に関するカリフォルニア大学デービス校の研究です.患者の脳活動をリアルタイムで解読し,それをテキストに変換して音声出力する技術です.具体的には,患者の話そうとする意思を左中心前回に埋め込まれた256個の電極を介して脳波から解読し,これを使用して音声として出力します(図1, 2).以前,録音した患者の声を使ってかつての声のように発音することができます.移植のわずか25日後に99.6%の精度で音声に変換することができました.12万5000語の語彙を使用しても90.2%の精度を達成し,最終的には97.5%の精度で約8ヶ月間使用されました.この技術は,ALS患者のコミュニケーションを大きく改善し,日常生活での使用が可能であることが示されました.
Card NS, et al. An Accurate and Rapidly Calibrating Speech Neuroprosthesis. N Engl J Med. 2024 Aug 15;391(7):609-618.(doi.org/10.1056/NEJMoa2314132)
【論文3.6年間の長期使用が可能であったBCI技術】
研究に参加した時点で58歳のオランダのALS患者に対する埋め込み型BCIの長期経過を追跡した研究です.前述のBCI技術とは異なる方法で,脳の電気活動を利用してマウスクリックのようなコマンドを生成し,文字の選択や介護者の呼び出しなどを行う技術です.BCI技術の使用頻度は視線入力装置がうまく使えなくなったり,瞬目ができなくなってから増加し,日常生活で使用されました.導入の6年後から徐々に使用が減少しました(図3).最終的にBCIの制御の正確性が低下した7年目で使用は終了しました.その時点では大脳の神経信号の振幅が減少し,頭部CTでは進行性の萎縮を認めました.つまりBCI技術の使用には限界があることが明らかになりました.
Vansteensel MJ, et al. Longevity of a Brain-Computer Interface for Amyotrophic Lateral Sclerosis. N Engl J Med. 2024 Aug 15;391(7):619-626.(doi.org/10.1056/NEJMoa2314598)
【まとめ】
異なるタイプのBCI技術の使用事例が示されており,技術の多様性と進化が分かります.BCI技術が個々の患者さんのニーズや疾患の進行度に応じてさまざまな形で適応可能であることが示されたことになります.一方で,BCI技術には神経変性の大脳への波及という時間的な限界があることも示されました.しかし最初のインタビューが示すように,一定期間と言えども,患者さんが「自分らしさ」を取り戻し,家族や友人とコミュニケーションできる意義は極めて大きく,本邦でもBCI技術の実用化が進むことを強く期待したいと思います.

関連情報
・上記の論文2については、日経新聞が、2024年8月16日の朝刊で『米大学 ALS患者、家族と会話』と題する記事で紹介しています。

5.教育談義
5-1)脳神経内科医1年目の私のカルテに久しぶりに対面した話
**岐阜大学医学部下畑教授の2024年8月7日のFB投稿です**
3年ほど前に,小脳失調症の研究でご一緒させていただいている信州大学中村勝哉先生から,信州大学で診療している患者さんの学会発表の共同演者になってほしいというお話をいただきました.症例は家族性痙性対麻痺SPG26の原因遺伝子であるB4GALNT1に新規ミスセンス変異があることが判明した44歳女性です.なぜ私が共同演者になるのか思い当たることがありませんでしたが,お話を伺うと,20歳時に信州大学に入院歴があり,そのカルテを調べたところ,なんと私の書いた入院サマリーが出てきて,これまでの経過を理解するのに役に立ったということでした.患者さんが17歳のときに,脳神経内科医1年目の私が新潟の市中病院で主治医となり,その後,長野県に転居されたということです.
中村先生が私にそのカルテを送ってくださり,27年前に書いたカルテと対面したわけですが,感想は「分からないなりに全力で取り組んでいる」と思いました.恥ずかしくもありましたが,教室の若い先生がたにも1年目の私のカルテを見てもらいました.彼らに伝えたかったことは,診断が分からない難しい症例を経験したときに「分からないながらもしっかりと病歴や神経所見を記載し,可能な限り勉強してベストの考察を残しておけば,いつか誰かが見て役に立つかもしれない」ということです.これまでも遺伝性神経疾患において同様の事例がいくつもありますし,おそらくこれから発見される未知の抗神経抗体を有する自己免疫性神経疾患でも同様のことが起こるだろうと思います.自戒の念を込めてですが,できるだけしっかりとしたカルテを残す必要性を改めて感じました.以下は最近発表された論文です.1症例報告でもここまで詳細な検討ができるのだと非常に感心し勉強になりました.中村先生,どうもありがとうございました!
Inamori E, Nakamura K, et al. Functional evaluation of novel variants of B4GALNT1 in a patient with hereditary spastic paraplegia and the general population. Front Neurosci. 31 July 2024. Vol18(doi.org/10.3389/fnins.2024.1437668)オープンアクセス

5-2)脳神経内科はcommon diseaseを診ているか?@Brain Nerve誌8月号
**岐阜大学医学部下畑教授の2024年8月8日のFB投稿です**
標題の鼎談をさせていただいたBrain Nerve誌8月号が発刊されました.今月号の特集は「Common diseaseは神経学の主戦場である revisited」です.2013年9月号に「Common diseaseは神経学の主戦場である―現状と展望」という特集が組まれました.脳神経内科というと「難解で,治らない病気を診ている特殊な集団」というイメージを持たれている人もいるかもしれませんが,実は脳卒中,認知症,てんかん,頭痛,めまいといった,いわゆるcommon diseaseを最も多く診ている,あるいは診ることを期待されている診療科でもあります.この特集号ではこれらの多数の患者さんを実際にどの診療科が引き受けているのか,診療が不十分な原因は何か,脳神経内科が解決すべき課題は何かなどを議論しています.日本神経学会では西山和利代表理事が中心となり,common diseaseの診療レベルの向上を目指し,特別教育研修会(脳卒中・てんかん・頭痛・認知症コース)などの取り組みを行っていますが,前回の特集号から10年が経過してどのような状況になっているかを編集委員の3名が議論いたしました.
鼎談は興味深い内容になったと思います.内容は小見出しを並べると「脳神経内科への名称変更とその影響,Common disease の診療をめぐる現状,脳神経内科医が果たすべき役割と課題,脳神経内科のおもしろさを伝えていく,脳神経内科と他科との壁を壊して歩もう」となっています.また総説も下記のように力作ぞろいで,とても勉強になります.ぜひご一読いただければと思います.
◆【鼎談】脳神経内科はcommon diseaseを診ているか? 下畑享良×髙尾昌樹×神田 隆
◆認知症診療における脳神経内科医の役割(森 悦朗)
◆脳卒中の現場における脳神経内科医の存在意義(出口一郎,髙尾昌樹)
◆てんかん診療の進歩と課題(赤松直樹)
◆頭痛診療の進歩と今後の展望(永田栄一郎)
◆Common diseaseとしてのめまい──危険度で考える(福武敏夫)
◆末梢神経障害(しびれ)──神経・筋疾患の「総合診療科」としての役割(古賀道明)
Brain Nerve誌HP
https://www.igaku-shoin.co.jp/journal/detail/41128
第8回特別教育研修会(2024年10月6日(日))
https://8neurology-kensyu2024.org/index.html

5-3)河井継之助と山本五十六のことばと教育の大切さ
**岐阜大学医学部下畑教授の2024年8月11日のFB投稿です**
夏休みを自宅のある新潟で過ごしました.長岡市にある河井継之助記念館と山本五十六記念館を訪ねました.河井継之助(1827-1868)は幕末の越後長岡藩の家老で,戊辰戦争では長岡藩を率いました.山本五十六(1884-1943)は太平洋戦争時の連合艦隊司令長官で,真珠湾攻撃をはじめとする多くの作戦を指揮しました.長岡市が生んだふたりの共通点は,最後まで戦争に反対しながらも,戦争の旗頭に立たざるを得なかったことかと思います.
今回,記念館を訪問して,さらに共通点に気づきました.それは教育です.継之助は藩校に通い,江戸や西国,長崎にも遊学して新しい価値観を身に着けましたし,五十六は海軍兵学校を卒業,アメリカへの留学経験を持ち,多くの外国を巡って国際的な視野を身につけました.これらの基盤があるからこそ,時代の変化を理解し,新しい方法を取り入れる姿勢を持てたのだと思います.そしてともに現代にも通用する箴言を残しています.それぞれのことばをまとめた2冊の本を読みました.そのなかから印象に残ったことばをご紹介します.
【河井継之助のことば(https://amzn.to/4fGM88L)】
◆何でもよい,一つ上手であればよいものだ.上手だければ,名人と謂はれる.是からは何か一つ覚えて居(お)らなければならぬ.→ 教室で私がいつも言っていることと一緒です.
◆眼を開け,耳を開かなければ,何事も行はれぬ.
◆学問というものは実行しなければ何の役にも立たないものである.
◆使ふものも使はるるものも,互に愉快に仕事を為(す)る.
◆人間はどんなに偉くとも,人情に通ぜず,血と涙がなくては駄目だ.
【山本五十六のことば(https://amzn.to/3SKDoVj)】
◆やってみせ,言って聞かせて,させてみせ,ほめてやらねば,人は動かじ.話し合い,耳を傾け,承認し,任せてやらねば,人は育たず.やっている,姿を感謝で見守って,信頼せねば,人は実らず. → 教室のリーダーシップ講義で紹介してる言葉ですが,全文を知ってほしいです.
◆中才は肩書によって現はれ,大才は肩書を邪魔にし,小才は肩書を汚す.
◆人は誰でも負い目を持っている.それを克服しようとして進歩するものなのだ.
◆もらった恩は岩に刻め,与えた恩は水に流すべし.
ちなみに写真2枚目の「常在戦場(常に戦場に在り)」は長岡藩士にとっての精神規範で,ふたりとも「常在戦場」の書を残していました.この意味は,戦場の生活を予測し,平素から質素倹約をし,心身の鍛錬をして教養を向上させるというものです.幕末に長岡藩が苦難に陥った際,継之助とともに長岡維新三傑と呼ばれた小林虎三郎は,三根山藩から見舞いとして送られた米百俵を藩士らに分配せず,国漢学校設立資金の一部に充て,人材育成を呼びかけました(有名な「米百俵」の故事です).
数日前の朝日新聞の記事に「科学論文,日本は過去最低の13位」とありました.しかし日本人がダメになったのではなく,国家として教育が十分できていない結果なのだろうと思いました.パリオリンピックの日本人選手の大活躍を見ると,若いうちからしっかり教育をすれば世界に通用できることが示されているように思います.
河井継之助記念館(https://tsuginosuke.net/)
山本五十六記念館(http://yamamoto-isoroku.com/)

5-4)初めて知ることばかりで衝撃を受けた「原爆裁判―アメリカの大罪を裁いた三淵嘉子」
**岐阜大学医学部下畑教授の2024年8月16日のFB投稿です**
久しぶりにNHK朝ドラを見ています.『虎に翼』です.今週,主人公の寅子が「原爆裁判」に関わる場面が描かれていますが,しばらく前に書店で標題の本(https://amzn.to/4fWyzT4)を見つけました.寅子のモデルである三淵嘉子さんは第1回の口頭弁論から結審に至るまでの8年間,審理を担当しました.本の最後に判決文全文がありますが,そのなかで「原爆投下は国際法違反」と明言,さらに「政治の貧困を嘆かずにはおられない」と日本政府を批判し,被爆者への支援策を強く促しました.いまだロシアがウクライナへの侵攻で核兵器の使用をちらつかせる状況ですので,核兵器の使用が国際法に違反すると明確に述べた判決が持つ意義は現代においても大きいと思います.
また右図は中国新聞(2024年5月1日)からの引用で,原爆裁判の争点を示していますが,国は被害者よりも米国に寄り添う主張を行ったことがよく分かり驚きました.
https://www.hiroshimapeacemedia.jp/?p=141335
ただ本書は判決文を除くと裁判に関する記載は少なめで,むしろ卓越しているのは,原爆開発の経緯,原爆投下の判断,原爆投下後の米国の対応について関係者の発言を集めて記載した前半部分です.初めて知ることばかりでした.本書の記載がすべて正しいかは分かりませんが,下記の発言を読むと,本当に残念だという思いがこみ上げてきましたし,原爆投下後の政治による科学の蹂躙にいろいろ考えさせられました.核軍縮・核廃絶のために日本人の果たす役割は大きいと終戦記念日に改めて思いました.おすすめの本です.
◆アメリカ科学研究開発局長官ヴァネヴァー・ブッシュと米国防研究委員会科学・爆発物部門主任のジェームズ・コナントは「原爆の最初の使用は,敵国の領土ではなくわが国で行なうのがベストです.日本が降伏しなければ,原爆が日本の領土で使われることになると警告すればよい」と提案した.
◆第34代大統領となるドワイト・D・アイゼンハワー元帥は,「対日戦にはもはや原子爆弾は不要である」と(原爆投下の決断をした第33代大統領の)トルーマンに進言している.
◆アメリカのABCテレビは1995 年に「ヒロシマ・なぜ原爆は投下されたのか」という番組を放送し,以下のような見解を示した.「太平洋戦争末期の日本に原爆投下か本土上陸作戦しか選択肢がなかった,というのは歴史的事実ではない」
◆(第31代大統領の)ハーバート・フーバーは,「いかなる詭弁を用いようと,原爆投下の主目的が,戦闘員ではなく女性子供老人などの非戦闘員の殺傷であったことを否定することはできない.そもそもアメリカは日本を挑発しなければ決して真珠湾を攻撃されることはなかっただろう」といっている.
◆ダグラス・マッカーサーは,「日本がソ連に和平仲介を頼んだと知った1945年6月,私は参謀たちに,戦争は終わりだ,と告げた.ところがワシントンのトルーマン政権は突如日本に原爆を投下した.私は投下のニュースを聞いて激怒した」と語っている.
◆(第33代大統領の)トルーマン大統領とバーンズ国務長官が,無警告で大都市への原爆投下を強行した理由は,「主に日本に対する人種的偏見と,真珠湾攻撃に対する懲罰である」と社会学者で公文書研究者の有馬哲夫氏は指摘している.
◆原爆開発責任者だったオッペンハイマー博士は,「原爆は地上600メートルという高い地点で爆発したため,放射性物質は成層圏まで到達している.それが地上に落ちてくるまでには極めて少量になる」という見解を述べ,「だから広島,長崎では人体に悪影響を及ぼす残留放射線は発生しない」と説明した.
◆「君たちの任務は『ヒロシマとナガサキには放射能がない』と証明することだ」(調査団の団長のマンハッタン計画のNo.2トーマス・ファレル)准将は開口一番,全員にそう伝えた.
◆(東京裁判の)パール判事は「(アメリカの)原爆使用を決定した政策こそが,ホロコーストに唯一比例する行為である」と論じ,原爆投下こそが無差別的破壊として,ナチスによるホロコーストに比べられる唯一のものである,としたのである.
原爆裁判―アメリカの大罪を裁いた三淵嘉子(毎日ワンズ)
https://amzn.to/4fWyzT4

5-5)YouTube動画:Don’t give up hope!希望を捨てないで!
**岐阜大学医学部下畑教授の2024年8月20日のFB投稿です**
研究をする理由 ―若い研究者,医師,そして医学生にぜひ見ていただきたい動画―
私は大学院生時代に脊髄小脳変性症のひとつ,歯状核赤核淡蒼球ルイ体萎縮症(DRPLA)の研究を行っていました.その研究が新聞報道され,そのお蔭で何人ものDRPLA患者さんやご家族からご連絡や激励をいただきました.そのなかに塩沢淳子さんと娘さんのクリちゃんがいました.いまもSNSなどでやり取りをしておりますが,その塩沢さんから「先日,ハワイの医大生に話をしました.後半ドクターも話をしていて,下畑先生のリベラルアーツのに通じるものがあると感じました.是非後半だけでも見てください」というご連絡をいただきました.

YouTube動画:Don’t give up hope!希望を捨てないで!
https://www.youtube.com/watch?v=Phufk4O7uLc

塩沢さんと,脳神経内科医のKore Kai Liow先生(Hawaii Pacific Neuroscience)がとても大事なことを話しておられ,感動して目頭が熱くなりました.20分弱の動画で,前半はクリちゃんやご主人の病気のこと,そして後半が最新の治療研究についてになります.若い研究者,医師,そして医学生に見ていただきたいです.なぜ私たちが研究をするのか,その理由が分かります.そして最後に驚くような奇跡も起こります.

(作成者)峯岸 瑛(みねぎし あきら)